輝晶のペンダント


アルナイル:……(あなたがこの街を出ようという頃合いか。手渡されたペンダントが淡く光る。)
ナイゼル:「っと、何だ?爆発するとか死ぬとかだったら生涯恨むんだが……!?」
アルナイル:「……繋がった、あー……聞こえますか?物騒なこと言わないでください」
ナイゼル:「まあ聞こえるが、何仕込んでたんだお前!!こらっ!」
アルナイル:「こうでもしないともう機会なさそうだったので。どうせ全部すっぽかしてきたんでしょう?」
ナイゼル:「まあ。そうだけど。なんで知ってんだよッ!」
アルナイル:「ほんとにやったんだ……エーテルの風に乗る程度には多くの人に好かれてたと言うことではないですかね……」
ナイゼル:「思ったより来てたってオルキアスから聞いた。まーお前は行ってないだろうが。」
アルナイル:「嫌ですよ大勢集まる酒場とか……」
ナイゼル:(予想通りの声が聞こえてきたので笑った)
アルナイル:「……ホントに全然似てない。ってちょっと!何笑ってるんです!」
ナイゼル:「いや、絶対嫌がってるだろうなと思って、それが予想通りだったからつい」
アルナイル:「クソ……ッああもう、本当に貴方って人は……」
(ため息。それから躊躇うような間)
ナイゼル:「なんだよ。何か言い損ねたか?」
アルナイル:「夢だと思って聞き流してくれて構いません。いつかどこかで、貴方と旅することがあっても良いと……そう思えただけです。ほんの少しだけ。」
ナイゼル:「フフ、おい。告白か?絶対置いてくって言ったのに。
まあ、お前が私に次の街まで追いつけたらな。そういう事もあったかもな。」
アルナイル:「燃やしますよ。冗談。……貴方の師と貴方もそうして旅してきたので。」
ナイゼル:「そうなる。ま、夢の話だけどね。私が上手くやることをそこで見てな。星空でも眺めて。」
アルナイル:「……今日も良く星が見えます。貴方の空も同じ」
「ようやく少しだけ、分かったような気がするんです」
「貴方がレガリアを去った今」
「……微かに寂しいと」
ナイゼル:「ま、届く範囲なら喋り相手になってやるよ。これがどこまで届くか知らんが」
アルナイル:「じきに瘴気が濃い場所に行けば届かなくなりますよ……って、そんなことじゃなくて。あー…」
「……貴方はどうですか。多くの縁を繋いで、その上で風の向くままに長く短い旅を行くのは」
ナイゼル:「寂しいが。まあ、そういうもんだろ。旅人って。ただ、そうだなあ……」
「 覚えてて貰えるように、これからもそう続けてく。誰かが覚えててくれるならそう寂しくも無い」
アルナイル:「そうですか……ふふっ、それなら心配要りません。貴方の軌跡は確かにこのレガリアに刻まれています。それに僕は記憶力が良いほうですからね」
ナイゼル:「じゃ、そろそろ森の方差し掛かる、これでマジでお別れになる。」
アルナイル:「……ええ。いってらっしゃい。貴方と出逢えてよかった。」
ナイゼル:「ああ。私も、会えてよかったよ。それじゃ。」
アルナイル:「改めてさようなら、ナイゼル。彗星の旅人。貴方に星々の祝福がありますように。」
ナイゼル:「改めて伝える必要も無かったな。良くわかってんな。」
アルナイル:(プツン、と糸が切れたように通信が途絶え、ペンダントの淡い光が消える。未だ微かに温かい)
ナイゼル:「じゃあな。あーいや。その内?いや。あ〜……」
「まあ、良いか。元気でやれ、で。」(そう呟いて再び歩き出す。瘴気の迫る地、そろそろ森との境界線だった)
アルナイル:(向こう側で同じ輝晶石のピアスに軽く触れた。大切なことはなくなってから気付く。されど後悔はなかった。温い涙を拭って、微笑んだことは星しか知らない。)