アルナイルとの別れ
- 魔術/占星術ギルド『蒼のアジメク』 -
ナイゼル : (書いていた書類を置いて、それから仕舞い込んだ。完成らしい。大きく伸びをしてそれから近場に置いてあった資料を棚に仕舞い込んだ)
ナイゼル : また挟まってるじゃん(もう少し押した)
アルナイル : いや挟まってないですけど??
アルナイル : (押された)
ナイゼル : 今挟まったな
アルナイル : おい
ナイゼル : なんだよ
アルナイル : ……いやなんでもないです(諦めた)
ナイゼル : 諦めるなよ!?
アルナイル : なんです……
ナイゼル : 今日も辛気臭いツラしてるなとは
アルナイル : はあ!?
ナイゼル : 事実だろ。ああでもなんか元気にはなったな。前は「は?」だったのが「はあ!?」になったし
アルナイル : どうせ陰険根暗本棚に挟まってる埃ないし隅に生えてる黴が似合いですよ……(そこまで言われてない)
アルナイル : ……そうですかね。
ナイゼル : 根暗かも知らんが魔術師は大体そうだろ。そこまで言って欲しかったのか?
アルナイル : いえ。そういうわけでは…
アルナイル : ……貴方は魔術師にしてはカラッとしてていいですよね。
ナイゼル : 旅人なんでね。色々あんの
アルナイル : 旅人だからこそでしょうけれど。
アルナイル : 少し羨ましいです。
ナイゼル : 良いだろ
ナイゼル : あ、そういや机借りてたから後で資料戻した場所合ってるか見といてくれ。大分長く占拠してたもんでどこに資料直してたのか忘れたんだ
アルナイル : む……そういうとこ……。
アルナイル : あー、はい。とはいえ大抵みんな適当に使ってますからさして問題ないと思いますけどね…。
ナイゼル : そうか?図書館とか魔術ギルドって大体そういうのうるさいイメージなんだが……ならいいか
アルナイル : ……受付には内緒です。暗黙の了解ですよ。(肩を竦めた)
ナイゼル : 一寸書き物しててね(見せびらかした紙にはこちらの言葉で色々書かれているようだった、手紙だ)ま、そういうわけなんでまたな!アルナイル
ナイゼル : (もう一回押した)
アルナイル : ……手紙…? あ、はい。それじゃまた、ナイゼルさん。貴方に祝福の光あらんことを…。
アルナイル : って押さないでくださいよ!?
アルナイル : ……なんなんだもう…
- 酒場宿『アンバームーン』 -
酒場宿の店主「……いらっしゃい。」
酒場宿の店主「そうかい、じゃあな」
ナイゼル : (何やら話し込んでいたがその内話終えたのか手紙を渡して)じゃ、バニラさんから連絡あったらその内よろしくな!ま〜大分早くに渡しちゃったわけだが、バニラさんに気付かせたくはないからな……!
- 魔術/占星術ギルド『蒼のアジメク』 -
ナイゼル : よっ……
ナイゼル : ……!?挟まってる場所違うじゃん……!!
アルナイル : (本の頁に視線を落としていたが、顔を上げた)
アルナイル : ……どうも。 挟まってないですけど……
ナイゼル : (小突いた)
ナイゼル : 一寸無理があるだろそれは
アルナイル : や、やめ……(小突かれた)(道も塞がれた)
アルナイル : 違います。丁度良い場所がここだっただけで…
ナイゼル : 丁度良いから挟まってたんだろ。まあいいや。何読んでたんだ?
アルナイル : (占星術…それもとりわけタロットカードと呼ばれる絵札を用いた新興学派の本だ)
アルナイル : あ、あー…いや。
アルナイル : (パタン、と本を閉じた。きまり悪そうに目線を逸らす)
ナイゼル : なんだよ言えないような本か?おいっそんな事で隠せると思うな、よっ(タイトルを覗き込みに行った)
アルナイル : あっちょっとなんですか言えない本って(『タロット・リーディング儀式入門〜大宇宙と小宇宙の交差を読み解く』…)
アルナイル : ……。
ナイゼル : ……タロットか?なんだ君、小遣い稼ぎに占いでも始めるつもりが?
ナイゼル : そりゃもう、言えない本だろ、禁書とかの類こんなとこで読むわけないからな、エッチな奴かと……
アルナイル : いえ、そういうわけでは、ないんですけど。まるで金銭的に困ってるみたいに…(視線を彷徨わせた)
アルナイル : 馬鹿なんですか?
ナイゼル : ザインさんが占うなら対価に何か持ってこいって言ってただろ。だからそうかなと思ったまでなんだが?
アルナイル : 単純にちょっとした興味で……ぁー……。
ナイゼル : あ、や〜……まああの人はもう居ないが……
アルナイル : ……そうですね。
ナイゼル : まあ興味のきっかけが何かは知らんが。基礎をやったんなら次は実践だろ。やってみるか?
アルナイル : 良いですけど。本当に初歩の初歩を齧った程度ですよ。それでも良ければ。
アルナイル : ……魔術もそうですが、占術も契約の一種だと考えています。
アルナイル : (そう言ってカードを取り出した。いつから持っていたんだろう)
ナイゼル : フン、私はどっちかというときちんとしてるのよりは適当でも信じられる奴の方が好きだぜ。
ナイゼル : ……
ナイゼル : やりたかったんだろ実は!!
アルナイル : べ、別に。若干近しいことをした経験があるというだけで。妹のが得意だと思います、恐らく。
ナイゼル : じゃあ今度会えたらアトリアさんにも聞いてみるか……
アルナイル : ……あ、はい…というか退いてくれませんかね…(出れない)
アルナイル : このほうが良いと言うなら…まあ…いいですけど……
ナイゼル : いや、男とベタベタ密着する趣味は無い……出ろよ
アルナイル : あ、はい。
アルナイル : 机借ります。こちらへ。
ナイゼル : ん
ナイゼル : で、えーっと何占うか聞く流れだっけ?
アルナイル : ……はい。何か聞きたいことがあれば。
ナイゼル : ん〜〜〜
アルナイル : (言いつつカードをシャッフルしている。何故か慣れている)
ナイゼル : なんか慣れてんな……
アルナイル : …………(旅をしているあなたならカジノのディーラーがするそれのようだと分かるかもしれない)
ナイゼル : (!カジノディーラーか。なるほどな……)じゃあアレだ、アレ。前は師匠に会えるか占って貰ったんだが、別のにしよう。私の友達の女子が無事に天国に行けるか占ってくれ。もう会えない相手なんでね、まあ気休めみたいなもんだ
アルナイル : (天国と聞いて首を傾げた)レガリア国教では人は死してエーテルに還るとされているのですけれど。…
ナイゼル : フ、死んだ後の世界があるって信じてるとこもあんの。そういうとこの子。
アルナイル : 友達の女子とかいたんですか(失礼だ)
ナイゼル : うっせ!昔は付き合ってた女も居たし結構旅先で色々な奴と仲良くやってるんだが!?
アルナイル : 死後の世界、か……まあもう会えない相手の考えにまでとやかく言うつもりはありませんから……やってみます……。
アルナイル : ……本当です?(若干疑い)
ナイゼル : なんで疑うんだよッ、一緒に死んでとか言われたからフッた、私のダチと良い雰囲気だったからフッた、あとは……まー……まー……いろいろだ。疑うなそういうのを〜!
ナイゼル : ほらっ集中しろ!
アルナイル : ……(疑っておいて後は流した。混ぜたカードを三つの山に分け、束ね、一枚を引く)
ナイゼル : (その様子を見ている、今回出たカードは?)
アルナイル : (天空に浮かぶ一つの大きな星、それからその周囲にある七つ星。)
アルナイル : (地上で水を汲み注ぐ女性。『星』のカード。)……ふむ。
ナイゼル : 上下の向きも重要、だろ?
アルナイル : (向かい合う貴方の方からみて正しい位置にある、つまり裏だ。)
アルナイル : ……天の星に手が届きそうだと思ったことはありますか。
ナイゼル : 随分詩人だな。星は掴めない、掴めるとしたら空を飛べる奴だけ。と思うけど
アルナイル : 仰る通りで。星とは仰ぎ見るものです。希望であり標である。…ことレガリアに於いても重要な意味を持ちます。
アルナイル : ……彼女はどこかで望んでいたのかもしれませんね。
アルナイル : それが叶わぬ望みだとしてもです。……
ナイゼル : ……そっか。
ナイゼル : ま、話半分に信じるよ。占いってそういうもんだろ
アルナイル : 何処へ向かったとしても、…失意や絶望の中にあったとしても…
アルナイル : ……ささやかな希望があったこと自体は無意味なことではないとも思います。
アルナイル : まあ、そんなところです。星々の巡りに還るのであれば幸福と言えませんかね。(結局レガリア国教の考えに戻ってきた)
ナイゼル : 君本当に好きだな
アルナイル : ? 普通だと思いますけど…貴方が稀人だからそう感じるのでは…
ナイゼル : いや。やたら全部そこに繋げるなとは。
ナイゼル : まーいいや、案外読み解くのも上手い、カード切るのもやたら上手かったし、あ、でもあの動きは一寸ディーラーかなんかみたいだぜ。もう少しゆっくり勿体ぶった方が占い師っぽい
アルナイル : 当然でしょう大いなる竜と星晶の加護あっての今なのですから………… ……
アルナイル : …よく分かりましたね……ディーラーやってたことあるんです……
ナイゼル : あれ、そうなのか。いや〜私も一回カジノで負けて剣を質に入れたことがあってね……
アルナイル : えぇ…何してるんですか…
ナイゼル : その後相手のイカサマを暴くために走り回ったりで大変だった、取り戻したけどな
アルナイル : はぁ。なんだかんだ取り戻すあたり貴方らしい(話しつつカードをしまっておいた)
ナイゼル : 運がいいだけだよ。それに色んな奴が手伝ってくれたしな
ナイゼル : 君も友達は大事にしろよ。困った時助けてくれるわけだし
アルナイル : ……。
アルナイル : 友達、と言われても正直ピンと来なくて……
ナイゼル : おいっ!私は結構友達に該当する位置だと思うんだが!?
アルナイル : え?
アルナイル : ……
アルナイル : ええ?
ナイゼル : え?じゃねえよ。(小突いた)
アルナイル : あっ(小突かれた)
アルナイル : そうなんですか?
ナイゼル : これくらい喋れる奴なら友達扱いで良いんだって
アルナイル : ……はあ、まあ…それならそういうことで…構いません。
ナイゼル : まあ私は出てくからこの先はどうとも出来ないが。これくらい喋れる相手他にも作っとけ
アルナイル : ………。
アルナイル : 雑談とか苦手なんですよ…
ナイゼル : 知ってる、けど苦手でやらないで損するのはお前だぞ。色々喋れる事はある方だし、お前結構面白いのに
アルナイル : う……(思い当たる節があった…)
アルナイル : それでできたら苦労しません…
ナイゼル : 言葉に詰まんなって。相手のことよく見ろ、自分と同じとこがあるならその話振れ、そしたら話せるから
アルナイル : …は、はあ…難しくないですか…共通点が見つからないときとか…
ナイゼル : 私と、君の共通点ってほぼ無いだろ。案外探せばあるもんだって
アルナイル : …………そうですね…。
ナイゼル : 認めやがった……「あるじゃないですか、あなたは魔術師でしょう」とかほざくと思ってたんだが?
アルナイル : あー…えっと…。思ってはいたんですけどそれ以外の共通項がほとんどなかったので。
ナイゼル : 思ってたんなら言えよっ!そこで黙るからダメなの。あと一寸歳が近いとかあるだろ!探せよ!
アルナイル : 貴方は明るいし、無駄に前向きだし、すぐ変なこと言いだしますけどまあ人からは好かれるじゃないですか。
ナイゼル : 自信ある、お前もなんだかんだ私のこと好きだろ
アルナイル : は!?べ、別に……。
ナイゼル : べ、別に貴方のことなんて好きじゃないです、調子に乗らないでくださいっって?
アルナイル : ……まあ嫌いではないですが調子に乗らないでください。
ナイゼル : (指さして笑った)
アルナイル : こいつ……
ナイゼル : 自分はそうじゃないから無理ってか?
アルナイル : も、もうっ……からかわないでくださいよ。…あー…
アルナイル : 昔から一人でいるほうが楽でしたし、嫌う人のが多いと思います。…別に気にしてはないですが。
ナイゼル : 私は、お前は面白いしもう一寸他に気に入られても良いんじゃないって思うけど。
アルナイル : 面白いって……ぁー……(軽く自身の髪の束を指先で弄った)
アルナイル : あまり他人に興味ないので致し方ないかなとは…でも…
アルナイル : ……感情がないわけではないんです。拒絶することもされることも多くとも…
アルナイル : 蔑ろにしたいとか、そういうわけではなくて。
ナイゼル : (黙って聞いている)
アルナイル : どうしたらいいか分からなくなる。……
アルナイル : …婚約者…といっても本当にすぐ破談になったのでなかったことになっていますが…
ナイゼル : うんうん
アルナイル : 自分なりに考えて正しい契約だと、思ってたんです。…今もそんなに間違ってなかったと思いますが…(こういうところがダメ、無自覚)
ナイゼル : あのな?
アルナイル : はい?
ナイゼル : 女子は思ったよりそいつのこと尊敬できるかとか、そいつと結婚してちゃんと幸せになれるかとか、考えてんだぞ。契約とはまた違う
アルナイル : ?
ナイゼル : お前、ほんっとダメッ!向いてねえわ。女の尻追いかけんのやめろ。
アルナイル : えっ……………………………
ナイゼル : 友達作ったりして経験値積め。最初から最強の宿敵に挑んでるようなもんだぞ。
アルナイル : た、確かに火の車と言っていい状態でしたし家の評判は良くないことくらい分かってましたけど…!(ダメポイントを稼ぐ)
ナイゼル : それでもお前が良い奴なら付き合ってくれんだよッ!わかるか?!
アルナイル : およそ八百年前白き竜と巫女が契約を結んだ時代から続く正当な由縁と血筋が(ダメポイント加算)……
アルナイル : わ、わかりません
ナイゼル : 昔の人間の話してどうする!お前と結婚したいかどうかなんだって!!
ナイゼル : (ビンタ)
アルナイル : うっ ……何故…
ナイゼル : フン、雑魚が……
アルナイル : (片頬をさする。以前もこんなことがあったような…)
アルナイル : フォーマルハウトの由来は大魚ですけど…(そうじゃない)
ナイゼル : 何の話だよ
ナイゼル : とかく、お前相手のどこが好きなんだよ。言ってみろ。
アルナイル : 雑魚に対してですが
アルナイル : え?
アルナイル : …………………………
ナイゼル : はい10秒以内!!!
アルナイル : なっあっちょっと
ナイゼル : 5、4、3、
ナイゼル : 21!!
ナイゼル : はい時間切れ。ダメ。
アルナイル : はやいはやいはやい
ナイゼル : 何処が好きか出て来ないような相手と結婚出来る訳ないだろ……!ばーか
アルナイル : い、言えますよ!!急に問われるから戸惑っただけで……!!
ナイゼル : 詰まる時点で弱い
アルナイル : なっ
ナイゼル : 戦ってる最中に呪文で詰まるか?
アルナイル : 即答で顔とか挙げるほうが信用できなくないですか!?
ナイゼル : 顔とか挙げられる方が何も言えないよりマシだろ。お前は、それ以下!
アルナイル : そ、それとこれは話が別ですっ!
アルナイル : な……
ナイゼル : す、好きな所くらいあります、馬鹿にしないでくださいッ、なんなんですか全く……
ナイゼル : すら言わねえんだよなお前…・・・
アルナイル : ……言葉にし難いことなんです。
ナイゼル : 偶にはストレートに言っとけ。言わないとわからん
アルナイル : 言葉にすればたちまち季節外れの淡雪がごとく本来の形を失う。…
アルナイル : 分かってますよ、分かってるつもりです、僕は……
ナイゼル : わかってるつもりなら頑張れよ。私がどっか行った後も
アルナイル : …………
アルナイル : (ゆっくりと息を吐いた。いつの間にかかたく握っていた拳をそっと緩める)
アルナイル : …言われずとも。努力しますよ
ナイゼル : フフ、頑張れよ。あ、13日くらいに出てくつもりだからよろしく。
アルナイル : ダメだな、本来は分かっている困難に向かう貴方を応援するはずだったのに…される側になるなんて…
アルナイル : え、早
ナイゼル : バニラさんにもそろそろ退職するっつったしな。そうか?そろそろこっち来て1か月だし。私にしては長居した方だよ
アルナイル : も、もうあと一週間ないじゃないですか……そうですか。
ナイゼル : え、あ〜確かにそうだな。なんだもっと居座って欲しかったのか?寂しがりめ
アルナイル : 記事、読みましたよ。取材だったんですねあれ……
アルナイル : 案外文が書ける……
アルナイル : いや別に違いますけど勘違いしないでください
ナイゼル : 呪文とかも自分で考えてるんだから当たり前だろうが。魔術師で文が書けない奴は相当レアだが!
アルナイル : 大衆向けの文章と呪文は違うでしょう。
ナイゼル : まあそうだが。私のは旅先の経験だとかそういうの元にしてるから近いとこはあるよ
アルナイル : なんです、日記みたいに……貴方らしいですね。…竜が先か、卵が先か…
ナイゼル : そ、日記みたいなもん。面倒な思い出だとか大抵はヤなことばっかりだけどな。他の場面で役に立ったらそっちの思い出で上書き出来るんでそうしてるわけ。
アルナイル : 思い出……記憶は記憶でしかないと思っていましたが。ふむ。
ナイゼル : 何かカッコいい風にとらえてる気がするが。師匠に置いてかれてムカつく〜とか旅道具全部燃えたやべ〜とかダチと喧嘩して別れたわとかそんなのばっかだぞ。
アルナイル : いえ、利便性を認めて……前言撤回していいですかね。
ナイゼル : 良いよ。見直したか?フン
アルナイル : なんなんですか。
ナイゼル : ま、思ったより話し込んでしまったしそろそろ戻るか。先輩風吹かしまくったしな。
アルナイル : あ、えっと……。
ナイゼル : 何だ?
アルナイル : もしかしたら最後になるかもしれないので少し付き合ってください。
ナイゼル : 良いよ。
アルナイル : (淀みなく歩いていく)
ナイゼル : (数段飛ばしに走って行く)
アルナイル : はぁ……っ速い……じゃないですか……
ナイゼル : そりゃよく走ってるし逃げ足だけは自信ある
アルナイル : 逃げるのは後ろめたいことがある者か戦略的撤退かのどちらかですよ… こほん…
ナイゼル : で、言いたい事ってなんだ。愛してる付き合ってください行かないでだったら蹴り飛ばすぞ
アルナイル : なんでそうなるんですかどうなってるんです貴方の思考回路
アルナイル : 見せたいものがあったので……
ナイゼル : 女子だったら大体このパターンなんだが!?まあお前は野郎だから先んじて潰したわけだが!?
アルナイル : そんなわけないでしょう……(空を仰いだ。一点を指さして、す、と振りかざす)
* * * 青白い星がすうっと一筋 光の尾を引きながら、あなたの目の前の空を流れ落ちた……
ナイゼル : お、
アルナイル : ……やっぱり貴方は幸運だったみたいで。
ナイゼル : 流れ星か
アルナイル : はい。この監視塔から見ることができるんです。
アルナイル : 流れ星が流れる間に願い事を言うことができたら、その願いが叶う、なんていいますよね。
ナイゼル : ふふ、でも流れ星だといつか落ちるな。
アルナイル : ……落ちている最中、とも言えますが…
ナイゼル : あ、決めた。一寸言いたい台詞あるんだが付き合って貰って良いか?
アルナイル : ええ。どうぞ。
ナイゼル : 「上手く今後もやっていくと良い、この地に根差す星として。私は名の意味を見つけた、だから君の前から直に居なくなる。ああでもそうだな、君ももう私を必要とはしていないだろう?」なんてね!
ナイゼル : (ばしっと貴方の背中を叩いた)
アルナイル : うっ(続く言葉が音になる前に叩かれて呻き声になった)
アルナイル : ……ずるいじゃないですか
ナイゼル : 私もやられたんだから一人くらい道連れにしとかないと勿体無いだろうが
アルナイル : 馬鹿。
アルナイル : 「言われずとも空で輝く星のひとつ。暗夜に迷うときは見上げると良い」……
アルナイル : 尤も、貴方の導はすでにその手にあるのでしょう。
ナイゼル : それじゃ。じゃあなアルナイル!
アルナイル : (あなたの手首を掴んだ)……、
ナイゼル : な、なんだよ……
アルナイル : (輝晶のペンダントを握りこませて、軽くその手の上から握り、放す)
アルナイル : ……餞別です。好きにすると良い。
ナイゼル : ……だーもう、女子か!クソ、持ち物は増やさない主義なんだが?(そう言いつつも受け取った)
アルナイル : 女子じゃないですし別に旅費の足しにしてくれたっていいですからね!
ナイゼル : 持って行けない物が出たり重い物貰ったら旅を諦めて居座るか、捨てろって言われてんだが……まー……1個くらいなら許す。軽いし
ナイゼル : じゃ。今度こそ。じゃあなアルナイル
アルナイル : (許されたことに僅か安堵したように息を吐いて、微笑んだ)
アルナイル : ええ。さようならナイゼル。貴方の遥かな道行に、星の祝福があらんことを!
ナイゼル : (ひら、と手を振ってそのまま去っていく、振り返らない)
アルナイル : (あなたの背を、星と風と共に見送る。眩しいものを見つめるように、目を細めた)