さる令嬢からの感謝状
どこかのタイミングで、
旅立つ貴方に新聞社の者から一通の手紙が手渡される。
それは、白く柔らかい紙に金のシンプルなラインの引かれた貴方宛の封筒で、
面には”ウルスラ・F・ルミネージュより感謝状を”と記されていた。
…その封を解けば一枚の便箋が収められており、丁寧な文字でこう内容が綴られている。
「”稀人”のナイゼル様。
先日は取材時の約束をきちんと通され、
文句なしの美しい記事を仕上げていただけたようなので、
この私直々に感謝状を書かせていただきました。
…此度の記事では還らずの森へとうとう旅立たれるともお聞きしましたが、
皆が引き止める声もある中で進まれるとは、変わらず正気を疑ってしまいますわ。
まあ、それ以外にも多少の非礼な面もありはしましたが……
それも不問にして良いこのような市民たちの為の素晴らしい記事を作成されるのですから、
別にこの国で楽に暮らせるようにこの私が手配しても良かったというのに。
とはいえ我らが国に忠義を誓って従事をするように、
外の者にも似た、”代えがたいもの”も以前の話曰くあるのでしょう。
留める手を取らぬというのなら、”筋”と”覚悟”を示して旅立って下さいませ。
私に勝てなかった貴方がどこまであの瘴気溢れる”魔境”に挑めるかはわかりませんが、
この私をす・こ・しだけ追い詰めることが出来たのもまた事実。
ご武運やタイミング、様々な巡り合わせでまた旅へと戻られますよう、お祈り申し上げております。
……世に素敵な記事を広めてくださり、ありがとうございました。
白竜騎士団”ティーパーティー”部隊長
”ウルスラ・フィル・ルミネージュ”より」
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旅人は手紙の一つを仕舞い込み、そして古い手紙の一つを焼いた。
持って行く物は選ばなくてはならない。