思い出話他

ロザーリオ : おやこんばんは。
カルロ : や、こんばんは。
ダミアン : あ……すみません、こんばんはでしたね。(めんどうくさい。)
ダミアン : お二人そろってこの時間に見かけるのは久々ですね。晩酌ですか?
カルロ : ふふ、そんな気にしなくても良いけどね。そんなところ。
ロザーリオ : 特には。暇を持て余していました。
ダミアン : それはいつも通りでしょう。
カルロ : でも丁度良かった、あのな、この前不思議な島に行ったんだ。
ロザーリオ : 時間は幾らでもあるのですから当然の帰結でしょう?それとも貴方は常にあくせく活動なさっているのかな。
ダミアン : ええ、私は忙しいですからね。……不思議な島?
カルロ : こらこらロザーリオ…(苦笑いして)
ダミアン : 島ですか? いつのまに海の方に遠征されたのですね。
ロザーリオ : (続けて、と手で促した)
カルロ : うん、厳密には海なんだが。気付いたら無人島に流れ着いていてさ。
ダミアン : う、うん? ……うん?
ロザーリオ : まあ色々あったんです。流して
ダミアン : 無事……と、アンデッドに聞くのも妙な話ですし、事実ここにいるんですが……。
ダミアン : 無理でしょ。
ロザーリオ : 無理を通せという話なのですが。まあ色々ありました。飢えて死にそうでした。
カルロ : それはリュカの真似?
カルロ : 俺だけじゃなくてロザーリオもね。他にもフガクやアマルガム先生とか…知り合いが数人。
ダミアン : 無理でしょう。夢の話ですか?
ダミアン : あ、噂をすれば……。
フガク : む、こんばんは(シームレスに隣に座ってきた。百合と三十路の間に挟まることに一切の遠慮が無い。)
カルロ : 夢じゃないんだって。ほら(お土産だ。不思議な石を出した)
カルロ : あ、フガク。
ダミアン : フガクフガク、ロサがまたヘンな話を吹聴──。
ロザーリオ : おやフガク、こんばんは。
カルロ : フガクからも言ってくれよ。
ロザーリオ : 何です人をホラ吹きのように扱って……
ダミアン : うわあっ、なんだか綺麗な石が出てきた!
フガク : もしかして…二人は覚えているのか?
カルロ : ロザーリオはそんなに嘘ばっかり言わないぜ。
カルロ : 覚えてるよ。
フガク : (ポラロイドカメラを取り出す。もう動かないが)
ダミアン : なんですこの箱……。
ロザーリオ : 二人して色々持ち帰ってるんですね。
カルロ : カメラ。記録水晶みたいなものらしい。
フガク : 2日ほど行方をくらませてしまってな… もうロザーリオから話を聞いたと思うが、謎の島に流れ着いていた
ダミアン : カメラ……リーンでも聞いた単語だ。嘘でしょう、本当に……。
フガク : 眼の前の景色を色付きで瞬時に上に書き出してくれる機工だ
フガク : もう壊れてしまったが、景色はいくつか取ってある
ダミアン : う、うぅ”ん。目に見えるものをあるものとするのが研究者です。
ダミアン : 是非、見せてください。
ロザーリオ : 解らせてやってください
フガク : (砂浜や、漂流した大きな船、手作り氷室、浮浅橋など)
ダミアン : わ、わぁあ……。
カルロ : な?
フガク : (遠くにカルロやロザーリオらしき人影が写っている写真もあるが、人物中心なのは紫髪の赤子だけだ 頑なにフガクは映ってない模様)
ロザーリオ : 信じて頂けますか?
フガク : あまりこう、観光や思い出のために記録を残す癖がなく、人を映すのを忘れていたな…
ダミアン : な、なんてことでしょう……。え、ええ、流石にこれほどの物を見せられてしまえば、信じます。無礼をお許しください。
ロザーリオ : わかればよろしい。
フガク : (古代魚の写真とかもある)
ダミアン : 怒ってます? まあとにかく、(とにかくで流した。)
フガク : ロザーリオは普段よりいくぶんかぼんやりしていたようだが、覚えていてよかった
カルロ : なんだかんだして皆で船作って戻ってきたってわけ。
ダミアン : 皆さんで依頼に? いやそれにしては人数が多いな……。この赤子も、同じ船に乗っていたのでしょうか。
ロザーリオ : 怒っていれば剣を抜く所ですね。
カルロ : (ちょっと怒ってるな…)
フガク : 真相は定かではないが、カルロが見つけた石から浮かび上がった文字に寄ると、意思を持つ海らしい
フガク : 剣抜くな
カルロ : これだ。
ダミアン : 意志を持つ……海?(カルロに視線を向け)
フガク : 赤子は……あらしとともに飛んできた。怪我がなくてよかった
フガク : 無事ご両親のもとに帰れているといいが
ダミアン : (コウノトリが運んでくるとでも思っているのか? フガクなら有り得るな)
カルロ : (先程出した不思議な石を手のひらの上で転がす)
ロザーリオ : 突然カルロにぶつかってきたんでしたっけ。無事だと良いですね
ダミアン : いや赤子は確かに骨格が柔らかいですけれども!
ダミアン : ……この、石に……何か力が?
フガク : よく泣く子だったから…少し心配だ
カルロ : 望む場所へ帰ったはずだろ、大丈夫。
フガク : その石は……もう力は失ってしまっているかもしれんな
カルロ : ええと…"その海は数多の術者が挑み、そして敗れた海"
ダミアン : …………。(見えるものをあるものとして……見えないものでもあるものとすれば……)
ダミアン : (私は生物哲学者ですよ……)
ダミアン : ふむ。
カルロ : かいつまんで言おう。広大な海の存在だけがあり、それを変えようとした者が多くいた。
カルロ : 神秘、魔法、科学、奇跡……あらゆる術を取り込み、
カルロ : 世界の境界をも飲み込み、自我に近しいものを得た海……なんだと。
ダミアン : ふぅむ……。(未だ飲み込み切れていない顔だ。)
カルロ : 数多の他世界の海から資源を取り込んでは吐き出し再び取り込む、繰り返し。
カルロ : 今もこうして魔の海は佇んでいる――と。
フガク : 己等はその海に取り込まれ… 運良く島に乗れたというわけだな
フガク : 他にも面白いものがある。少し傷んでしまっているかもだが…
ダミアン : セイレーンという魔物がいます。その海域にいる人々は歌に惑わされ、溺れ死んでしまう。
ダミアン : 故にその海域は魔の海域として畏れられる……畏れは力を持ちます。
フガク : (丸い小麦の香りがする木の実と、羊の形をしたきのみをテーブルに)
ダミアン : 否定できない、というか事実あるのですから、そういった現象があると把握しましょう。どれ……。
ダミアン : なんですかこのかわいい形の……もちもちは。
フガク : 動物のような形をした実は特に辺鄙だ。 コップの上で割ってみてくれ
フガク : 森で落ちているのだが、種もなく、親となる木もない不思議な実だ
ダミアン : 果汁ですか?(卵のように割って見せる。)
カルロ : ま、記録が全て正しいとは限らないが、術者が挑んで破れては畏怖されたということも有り得る。
フガク : (羊のミルクが溢れてきた)
カルロ : そういやそんなものあったな… 腐ってない?
フガク : 液体が動物性タンパク質なんだ
フガク : 凍った花と共に持ち帰ったからある程度は持っているだろう
カルロ : めちゃくちゃ持ち帰ってるじゃん
ロザーリオ : 本当に色々と持ち帰ってますね。よくあの短時間で……というか沈む寸前だった時にそこまでの余裕があったんですね
フガク : 2こ埋めて、1つは保温して発芽しないかみているが、今のところダメだな…
フガク : 量産できれば便利だと思って‥…
ダミアン : もしかして、私に渡せば研究材料として喜ぶと……。
ダミアン : 贈り物ですか!?
フガク : ダミアンにみせたらなにかわかるかもとも思ったしな
フガク : こっちの丸いのは中に粉が詰まっている。 味はまさに小麦粉だな
フガク : 似たような植物を知らないだろうか
フガク : 無論、持って帰ってもいいぞ
カルロ : そういやロザーリオはなにか持ち帰ってた?
フガク : (よくよく見ると日焼けしている……)
ロザーリオ : え……(目をそらして、修繕された指輪を出した。普段のと同じ物に見える、何となく集めているのかもしれない)
カルロ : ふふ、集めてたんだ。
フガク : そうもうしわけなさそうにせんでも
ダミアン : 専門ではありませんが、有名なのはオシロイバナの種子ですね……。果実の中で種子が破裂……?(ううむ。長考モードだ。)
ロザーリオ : 特に意味なくやったことですから、他と比較すると話題に華が無いかと思いまして。
フガク : (バランも置いておく) これは食えんかった 草のように生えていたのだが、草ではない なんなのだろうな
カルロ : 綺麗に手入れされてるじゃないか。
フガク : ふーむ、オシロイバナ……
ダミアン : 実で思い出しました。
フガク : やはり、己等の知る大陸…いや時代すらも違うものなのかもしれんな
ダミアン : 地域性はあると思います──先ほど、飢えて死ぬと仰っていましたが。あれは、比喩ですか?
ロザーリオ : いえ本当に飢え死にかけました。
フガク : ああ、ロザーリオは取れてしまったのか仮面を外していたんだ、なかなかの美男子だったぞ
カルロ : ロザーリオ、本ないしどうしてるかなと思ったけど楽しんでたみたいでよかった。趣味増えたみたいで。
ダミアン : 待ってください。貴方がた(ひそ……)アンデッドでしょう。
フガク : 流れ着いた当初は食べ物を取る手段の確保にも苦心したからな、あとからたくさん食べれたようで良かった
カルロ : ……二人とも人間の身体だったんだよな、なぜか。
ダミアン : 食事の必要性は──え、えええ!?
フガク : ……そうだ、己も……(ひそ)足が生えたんだ 意識してないのに
ダミアン : (椅子から転げ落ちかけた。)
ダミアン : あ、汗は。
フガク : かなり汗もかいたな……血も流れた。 心音もしたと思う
ダミアン : 汗はかきましたか!?
カルロ : あらゆる術を取り込んだ魔の海ならそういうこともあるかも あっ
カルロ : かいてた。
ロザーリオ : 覚えてないです。ほぼずっと……寝てました。
フガク : ダミアン!(助け起こす)
フガク : だ、大丈夫か、驚かせたな
フガク : 落ちなくてよかった
カルロ : 鼓動もあったし…風呂でのぼせたでしょ…
ダミアン : 睡眠に代謝!?
ダミアン : あああ……な、なんてことでしょう。
フガク : 二人してのぼせていたな
ダミアン : 復活……ああ、否……なんて島なんだ……。
フガク : …行きたいと思ってないか?
ダミアン : どうやったら行け──、……。
カルロ : それはいいでしょ別に(二人してのぼせてたに対し)
カルロ : ……。
ロザーリオ : おすすめしません、めちゃくちゃ不便でした。
ダミアン : その体に慣れすぎです。
フガク : 帰りに海賊船にであったんだが…
フガク : 帰る方法は元の世界を強く意識して航海を行うこと、らしい
ロザーリオ : 貴方もいずれはこうなります、ダミアン
カルロ : ダミアンが人間の身体に戻って無人島に放り込まれたら二人の比じゃない苦労しそうだな
フガク : しかもあの海の島は定期的に沈む
ダミアン : つまり……逆説的に……。島のことを考えれば! 私も!
カルロ : (ロザーリオちょっと根に持ってない?)
ダミアン : 溺れて死にますね。
フガク : 君が2日で船を完成させ、島を出れるとは思えないのだが…
ダミアン : ふ、二日で沈んだのか……。
カルロ : ま、まあ~…行けなくもない、かもしれないな。本体は海だからな。
フガク : きっかり2日だったな…
フガク : 協力してくれたものがいてな……皆のお陰で船を作れた
フガク : あの海域はすこし、人知の手には余る……己はそう思う
ダミアン : しかし……死者が蘇る奇跡など。ああ……ぜひ私も体験したい……。
ダミアン : せめて、類似する場所はないのですか?
フガク : 行くならば、ラシュサハなどと一緒にな
カルロ : そっか……あー
フガク : 一人でいこうとするんじゃないぞ
カルロ : 夢鏡の町とか?
カルロ : 魔導列車に乗っていけるとこ。
ダミアン : ですが、二人で船は──夢鏡の町……?
フガク : あそこも物自体は持ち帰れるのだったっけな…
ロザーリオ : そうですね、観光地ですし
カルロ : えーと
ダミアン : 魔導列車。もしかして私が浅学なだけで、そういった、一時的な幻惑を享受できる場所は……。
カルロ : これ(幻想観光特急テオドール号のパンフレットを出した)
フガク : あーそこはー…
フガク : ……
ダミアン : か、観光地!?
フガク : あまりおもいだしたくない
カルロ : 観光特急だからね。
フガク : 恥を晒した気がする……(シマでも恥を晒していたが)
カルロ : いつも恥さらしてるだろ
ダミアン : ……? 戦跡などのツアーでも……。(パンフレットを手に取る。)
フガク : エッグヘッドという魔術師が作り上げた幻影の街もあるという
フガク : 凄まじい魔術師なのだろうな、そのものは
ダミアン : ま、…………。
フガク : 晒しとらんわ!!!
ロザーリオ : 今まさにでは?
カルロ : いまさら何を… ……(ロザーリオが人の身体を得ているときは大抵…思い出して赤くなった)
カルロ : うるせー
ダミアン : それで、生身の身体を再現する……町一つ……!?
フガク : ロザーリオ!!
フガク : こほん、まったく……
ロザーリオ : そう声を荒げるから揶揄われるのですよ
フガク : うっ……
ダミアン : んん……、それで、生身の身体というのはいかがでしたか。
フガク : ぐぅ…(ぐぅのねになった)
ダミアン : 不便であることは予想できますが……。
ロザーリオ : 眠かったです
ダミアン : それしか言えないのですか?
フガク : いつも通りに休まず働いたら、突然視界が揺れて海に落ちた
カルロ : ずっとぼんやりしてたもんなロザーリオ…
ロザーリオ : だって眠かったんです、なんです素直に教えてやったというのに文句ばかり……
ダミアン : ああ……それです、そういう。
カルロ : 二人とも限界が分からなくなってたし…
フガク : 眠かったのか…
ダミアン : 拗ねないでくださいよ。
フガク : いってくれたら寝床をつくったというに
カルロ : ロザーリオちょっと疲れ残ってるか…?
ロザーリオ : 別に拗ねていません。単に貴方が提供した情報を信じない程私を信用していないのかと寂しくなっただけにすぎません
フガク : あれだな、あんでっとの時よりもやはり…生身は直に疲れや痛みが来る
ダミアン : 生身の身体の感覚なんてもう覚えていません。眠い、眠い。うーん……スリーピングをかけられたときのような……。
ダミアン : 明日は槍が降るな。
カルロ : ……。
フガク : 全身に水が走っているような感覚、その水を体の中心から必死で押し出しているような…
フガク : ダミアン、ロザーリオを信じてやってくれ(KUSOMAZIME
ダミアン : ……なるほど、なんとなく寂しくなるような……疲れの感覚が、ロザーリオのそれですか。
カルロ : 俺だけか、ほとんど人間と変わらないのは。
フガク : 寂しさも生身の副作用に
ロザーリオ : まあ、眠かったです。本当に。およそスリーピングをかけられた時の5倍くらい
フガク : カルロの霊らしい部分をあまり知らんからな…
カルロ : そんなに?
フガク : もう一歩も動けんだろ
カルロ : ……やっぱり相当無理してたろ。
フガク : なんか色々食べていた記憶はある
カルロ : …霊らしいといわれても。俺だって気付かなかったくらいだし。
ダミアン : それは……大変だ。なんだか今日貴方間が抜けてますし。いつもの鋭敏な口調と、精細な感覚はどうしたんです、貴方らしくないですお。
ロザーリオ : …………
フガク : ……
カルロ : ……
フガク : ダミアン?
ロザーリオ : ならば口を閉じています。
カルロ : ダミアン……
ダミアン : (かんじゃった!)
フガク : ああ……
ダミアン : …………。
ダミアン : な、なんでもないですっ! ロザーリオのこの調子にあてられただけですっ!
フガク : ダミアン……
ダミアン : しかし、確かに、カルロは最初自分が死んでいたことですら気づいていませんでしたね。
カルロ : (ロザーリオの袖を引いて、手首を掴んだ)
ロザーリオ : 私のせいになさらないでください。自業自得でしょう。己の口から出た言葉に責任を持つべきかと
フガク : カルロは座敷わらし……神霊に近いものだと予測するからな
ダミアン : 痛覚もあるのでしょうか? うらやましいです……。
フガク : 霊らしさを発揮するとき、それは己等の記憶から溢れる水のように消えていく、そんな誰も気が付けない変化……そんな気がするんだ
フガク : いまは、しかとすくい上げるものがいるから安心だがな
カルロ : ……あるよ。あんたらからしたら不便でしかないんじゃない。
ダミアン : (……確かに。エテルニタのあのときの振舞いなど、なんだか遠いものに触れているような、畏怖のような──)
ダミアン : あるのですかっ!?(不謹慎!)
フガク : 己もあるな。霊は感情に起因するものが強いからかもしれん
ダミアン : ああうらやましい、足の指など、しょっちゅう壊していまして!
フガク : これは…ダミアンがあの島に行ったら数歩で動かなくなりそうだな(鋭利なものを踏みつけ活動停止)
カルロ : 眠らないと怠くなるし、血も出るし、腕とれて腐れば死ぬかもな。
フガク : そういえばその、確認なのだが……
フガク : ロザーリオの種別は…なんなのだ?
カルロ : ……(自分で言って寂しくなってきた)
ダミアン : それは……面倒が勝るかもしれませんね。(共感性がない。)
カルロ : だろ。
ロザーリオ : アンデッドです
カルロ : 今言う?
フガク : なにか違和感があって……
ダミアン : しかし、うらやましいうらやましいといっていても、結局はひがみです。痛覚をコントロールできる薬を──。
ダミアン : ああ、彼はス、………………。
ダミアン : 内緒です!
フガク : やはり肉体があるのは確かなんだが……
フガク : ス?
ダミアン : 内緒です。
カルロ : ……別に暴き立てなくていいだろ。
フガク : スケルトン?(直感💡)
フガク : ーーーあ(様々が合点が行った)
ロザーリオ : そうだったら顔が無いとおもいませんか?
カルロ : 何でもかんでも知りたいのか…
フガク : い、いや、その……気にしているのあらば詮索はよそう
ダミアン : フガク、大喧嘩になりたくないのであればよしなさい。
ダミアン : 流石にロザーリオとフガクの決闘は双方無事ではありません。
ロザーリオ : 秘密はある程度残しておきたいものでね
フガク : す、すまない……ただあの剣技は目を引かれるものだから、観察してしまうんだ
カルロ : それとこれは別だろ。
フガク : もうこの話はよそう すまない…… (スを聞かなければ)
フガク : しかし痛覚か、意識したことなかったな
ロザーリオ : 引き際を弁えることこそ人間関係を円滑に保つコツの一つですよ。賢明でなにより。
ダミアン : カルロも。フガクに対してはいつものことですが、少し言いすぎですよ。
カルロ : む。……
カルロ : いやフガクが悪い。
フガク : 今のは己が悪かったから…
ダミアン : とはいえ……全く。それで、痛覚ですか。
フガク : (しかしこの場の皆知っているようで。 少ししょんぼりフガクであった)
ダミアン : (あれは事故だろう、ほぼ。)
カルロ : 二人ともないわけ。
ダミアン : 痛覚ですね。無いと困るものですよ。何せ、人の命を守るものです。
ダミアン : ええ、感覚はありますが、温覚や痛覚はありません。ロサも確か……。
ロザーリオ : まあ、かなり無いです。大部分が。
ダミアン : 肉体を保持しているアンデッドは、このように痛覚が無いことが多いんです。とりわけ、自我が機能していれば。
フガク : 肉体がない方が痛みを感じるというのもけったいな話だな。 いや己等は特殊であろうが…
カルロ : 丈夫ならさして気にすることもないように思えるけどな
ダミアン : そうでないと、永劫死の痛みに苦しむことになる。しかし、霊体にないのは不思議ですね。
ダミアン : 己が霊だと、強く知覚しているということでしょう。
フガク : 気にならん様に見えるのはダミアンのように優れた補修技術があってこそでもあろうな
ロザーリオ : 意識的な部分が大きいような気もしますね。
カルロ : 自分でどう認識しているか、か。
フガク : ジルとベルは痛そうだったな…
フガク : やはり術式に寄る違いが大きそうだ
ダミアン : そうです。ですから、カルロのそれも──特に自分が死んだと認識していなかったのであれば──納得がいくものです。
ダミアン : 私の見識では、鈍い感覚はある、というくらいがアベレージなのですが。
カルロ : 俺をこうした存在が望んでこうしたのか、俺が無意識に望んだのかはわからないが…
フガク : 無意識に望んだ……
カルロ : 霊でありつつ魔力の根源ともいうべきもので形作られて今の俺があるのは確かだ。
ダミアン : 魔力の根源……。(アマルガムから聞いた話ともかかる。)
カルロ : 海が術を取り込んだように、湖にいた…水神と呼ばれてたもの…のおかげなんだろう。
カルロ : まあこれ以上詳しいことは何も。
ロザーリオ : 現地に行かないことには何もわからないでしょうね。
フガク : カルロの故郷か……
フガク : 何も異変がなければそれで良いが…
ダミアン : ……なるほど、カルロが先ほどの話に真実味を感じていたのは……その経歴からか。
カルロ : もうないよ。戻るつもりもない。
ダミアン : そもそも、現存して──ああ、やはり……。
カルロ : かえらない名前と共に置いてきた。
フガク : 何もなければ振り返る必要もない、か
ダミアン : ……よいのですか? 皆、優しい人たちだったと、ギルドからの依頼の時に仰っていたではありませんか。
ダミアン : 私のような、罪人というわけでもないのでしょう?
フガク : 思い出せてはいるのか
カルロ : いいんだ。一応俺も里を出た国じゃ冤罪でも罪人だし。
カルロ : 俺は名前以外忘れたわけじゃないよ、いずれ忘れるだろうけど。
フガク : (罪人多くない?になっている)
フガク : 己にはなさんだけか💢
ダミアン : …………そう。
カルロ : 話す必要もなかっただろ。
ダミアン : カルロはもともとこうなんです。自身のことをあまり語らない。
ダミアン : ロザーリオだって、多分、そう知らないでしょう?
ロザーリオ : 私もほとんど聞いたことはありませんよ。聞かなくとも問題ありませんから
カルロ : ……過去は過去として存在するけど、それまでだと思うから。
フガク : 己は自分の身になにかあったときの解決の糸口になればとほとんど話して回ったが……
ダミアン : でも、それは目的ありきでしょう?
フガク : できれば万全を期し、書物にでもしたためた方がいいだろうが…お前がそう言うなら仕方あるまいか…
ダミアン : ……私は……好きな人のこと、知りたいと……思うでしょうか。
ダミアン : 知るために、興味を持つために、好きになる努力はしています。
フガク : 己は原因が原因だからな……(自分のもうない足を見る)
ダミアン : でも……。
ダミアン : ……もう書物にしたためる気はありませんよ、フガク。ちゃんと帰ってきましたからね。
フガク : ………
フガク : 幸い、あれから悪霊に転じる気配はない
ダミアン : ええ……トイトーヴさんの時は、可能性としては考慮してはいましたが。
フガク : カルロも…わからんことだらけだろうが、今後ともそのまま元気でいてくれ
ダミアン : 島に流されても無事、問題ないようですね。
フガク : ……
フガク : 天冠も戻ってきたしな…(帽子をずらすと白い三角巾がちらり)
カルロ : 言われなくとも。
ダミアン : 無いと落ち着かないのですか?
フガク : 取れてくれることに越したことはないんだが
ロザーリオ : 無いと困る物だったんですか。それ
カルロ : 本当に取れないの?
フガク : なんか、なんだろう……
ダミアン : ひっぺがしてみてくださいよ。
カルロ : (斜めから引っ張る)
ロザーリオ : あっ
フガク : おい何をー (強さはどれくらいで引っ張った?)
カルロのダイスロール : (1d100) ->([79])=79
カルロ : (かなり強く引っ張った!!)
フガク : (ビリッッ)
フガク : (ほわほわと青い炎になって……再び集まって)
フガク : (再び装着した)(周囲の気温が冷たくなった気がする)
ダミアン : も、文字通りの生命線だ……。
カルロ : ……戻った…。
フガク : やめろ全く!!!!(かぶり直し)
ダミアン : 術符のようなものでしょうか。
フガク : 神経が繋がってるといえばわかりやすいだろうか
ダミアン : 痛覚だ!
カルロ : えぇ……
フガク : 喜ぶな
ロザーリオ : 日頃の暴力が生易しい物だったように思えてきましたね
カルロ : (引いた)
ダミアン : ごほん、ええと、封印の符であるとか、そういうものではなく?
フガク : というか、己には痛覚もあるというのにお前は首骨を折ったりやりたい放題!
フガク : カルロも耳をちぎられたら痛かろうよ!! そんなもんだ!
フガク : やり返さんだけ感謝しろ!!
カルロ : 悪霊の類だしすぐ戻るしたいして痛くなさそうじゃん
フガク : 次身が入れ替わったらやってやろうか…?
カルロ : 俺はちぎったそばから血が流れるしあんた程度じゃすまないと思うぞ
ダミアン : ほら、ロサ、諫めてやってください。
ロザーリオ : (耳を引っ張った)
ダミアン : あっ
カルロ : あっ
ダミアン : …………。(痛覚だ……と思っている)
フガク : それがわかってるから我慢してやってるんだ(多分構造が同じだろうと、この男はそう反撃しない)(やさしさあるので)
フガク : ロザーリオ……
ロザーリオ : フフ、黙らせてやったでしょう?
フガク : ありがとう(?)
カルロ : ぅ…………
フガク : まったく(ププン)
ダミアン : 思わず私も黙ってしまいました。……お見事。
カルロ : (何か言い返そうとはしていたがロザーリオに諌められると何も言えなくなった…)
ダミアン : というか、身が入れ替わったらですって?
ロザーリオ : 随分面白いことになっていたんですね。
カルロ : ……あー、あー!
フガク : とにかく、天冠は髪とは比にならんぐらい神経が繋がっとるからちぎるなと
フガク : …………
フガク : (自分が知りたがりしておいて隠すのは良くないよね…と思っている)
ロザーリオ : その時の話でも詳しく聞かせて貰いましょうか。折角ですし
フガク : そのままの意味だ 一度入れ替わった
フガク : 詳しく調べられなかったからどの程度かわからないが、4日ほど?
ダミアン : よっ……。
カルロ : なぜかフガクと入れ替わってたんだよ、意味が分からん
フガク : ちょうど店番を頼まれる長期の依頼のときで、誰にも相談できんかった カルロも嫌がったしな
カルロ : 最悪だった
フガク : 多分ピッタリと相反する存在なのだが、陰陽の勾玉のように当てはまってしまった…のではないか
ダミアン : ひょっとしたらすれ違っていたのか……? じゃない、なぜ既存の生気学を一転させるようなことばかり起きるのです!
ロザーリオ : そんなに嫌だったんですか
フガク : 存外に歯が尖っていた
ダミアン : いえ、私も女体になったことがあった……。あることが問題なのではない、我々人間の思うままに手繰れるようになることが重要なのです。
フガク : 女体
ダミアン : 必ず飼いならしてみせるぞ……。(ぶつぶつ)
カルロ : やだよなんかくさそうだし(※臭くはないです)
フガク : は?
カルロ : は?
フガク : だっ、誰が臭いか!
フガク : 匂いには気を使っている!! ✿~
カルロ : 汗臭いだろうが!(※臭くないです)
フガク : く、臭くない!! それは生前の話で…!!
ロザーリオ : (また始まったなあという顔で見ている)
フガク : い、今は匂いなど…… だ、大丈夫だよな、二人共…!
ダミアン : 思うに、我々が把握している以上に、魔力による人間の適応は流動的なのではないでしょうか。
ダミアン : (聞いてない)
カルロ : 臭かったんじゃん!!ていうか島で汗臭かった!!はい!!
ロザーリオ : どうでしょう。ご婦人だとかに聞いた方がよろしいのでは。男の感性では測りかねますから。
フガク : 仕方ないだろうが!!椿油もなければ生身だぞ!!!(汗っかき)
ダミアン : つまり、この発見から推測できるのは、我々人間の体には未知の
ダミアン : うるさいな……。(すん。嗅ぐ)
ダミアン : 花の香がします。これで満足ですか?
フガク : (今は無臭のため、つけている椿のかおり)
フガク : よし
フガク : ほらな
カルロ : (拗ねた。ロザーリオに寄り掛かる)
フガク : ふ、婦人に聞けるか…!
フガク : しかし、流動体… 結構同意できるな
ダミアン : 甘えない、カルロ。まったく……。
ロザーリオ : まあ良いじゃないですか。まだ首は折ってませんし。今日は
フガク : この身は些か、その土地や空間の力に影響されやすいように思える
フガク : いつでも折るな
ダミアン : ええ。というより、我々の持つプネウマは、人の身体を大きく変化させる(ぶつぶつ)
ダミアン : アマルガム先生のお師匠の推論にも、確かにこの話を聞いた後だと納得がいくな……。
フガク : 天上の都市でも大変身が軽かった
ダミアン : 意志とは、すべての一であり、魔力の根源である。
フガク : ともかく、次入れ替わったら覚悟するといいカルロ
カルロ : ……(めずらしく人前…といってもアンデッドだと知るものしかいないが…黙って甘えた…)
フガク : 痛みを教えてやる…(絵面が危険
カルロ : 気持ち悪い
フガク : は?
フガク : すこしは反省しろ本当に
ロザーリオ : 流石に今のはどちらも少し悪いかな
ダミアン : 少し静かになさい! ああもう、人が折角考え事をしているのに……。
フガク : あ、そう…か…(⇩
カルロ : (ぷん)
フガク : すまぬ
フガク : 何だ己にだけあたりが強いんだ
ロザーリオ : それで、考えは纏まりそうですかダミアン
ダミアン : ロザーリオ! カルロにどうぞ教育をしてやってください……。こういうのは貴方の専門でしょう。
ダミアン : ええ、カルロの身体の根源が祈りで出来ている可能性について考えておりました。
フガク : 祈り…
ロザーリオ : 教育ねえ……
カルロ : ガミガミ言ってきたり無神経なこと言って来たりしなけりゃ俺だって大人しくしてるもん
フガク : 己が呪いならば、 祈り、か……
フガク : 貴様が子供のような、それも悪餓鬼のようなことをするからだ💢
カルロ : 祈りねえ…… ……故郷は土地神や祖霊の信仰は深かったから有り得なくもない話かな…
ダミアン : やはり……! いえ、これはただの興味ではなく、学術の礎となるリサーチですから。
カルロ : (フガクにはあかんべえをした。クソガキ!)
フガク : (此奴……)
ロザーリオ : (後ろなので見ていなかった頷きながら聞いている)
フガク : (大人なのでぐぬぬするだけでやり返しはしなかった)
カルロ : 里は刀鍛冶や子供が巫女の役割を兼ねてたところもあるし…俺以外はもう子供も若いのもいなかったしね。
フガク : ………
ダミアン : つまり、貴方が巫女だったと。男の巫女というと変な話ですが、私も似たようなものですからね。
ロザーリオ : 複雑な話になってきましたね、本当に初めて聞く
カルロ : 変な話だけどうちじゃ鍜治場は女人禁制だから代々そういうしきたりなの。
フガク : 子供が務めることは彩京でもあったが、刀鍛冶が巫女とは初めて聞く
フガク : 職人が神聖だったのだろうか
ダミアン : 女人禁制……珍しい話ですね。女性が一般的にやらない職は未だ多くありますが、禁じるとは。
ダミアン : なるほど。それで?
フガク : (過去を置いてきた時いたばかりなのにこんなに聞いていいのだろうか)
カルロ : 刀自体、魔を祓う神聖なものだろ。
ダミアン : ……そうだ。私にとっては未だ鉄の塊のイメージですが、カルロの地域の価値観だと、そうだ。
フガク : 彩京の都では、刀鍛冶は政治の要素が大きかったものでな… 文化の違いだ
ダミアン : 神聖、故に。そういった例はうちの地方でもあります。
ロザーリオ : (専門外の話続きで手持ち無沙汰なのでそっと水を取りに立った……曖昧に頷き続けるのがやや気まずかったのだろう)
 雑誌などを適当に並べた本棚がある。
 ……暇つぶしに何か手に取ってみようか?
ロザーリオが[何もしない]を選択しました
 紡ぐ白羽亭の共用棚だ。
 何かを置いてもいいし、取り出してみてもいいだろう。
ロザーリオが[何もしない]を選択しました
カルロ : つまり水神のものであり、一緒だったんだ。刀を作る俺も…里もね。
 ……前回はクルグがたまごさんどを作ったようだ。
 ここに置かれた冷蔵庫は、
 上段は購入制のドリンクが置かれており、
 下段は共用の冷蔵庫になってるようだ。
取引をしました。
[水] を手に入れた。
ロザーリオは、水を使った。
ゴクゴク…
ロザーリオは[水を飲む人]になった
フガク : ……
ダミアン : …………、ええと、厭な予感がしてきました。
フガク : カルロ、やはりお前は……
ダミアン : 塵は塵に、ではありませんが……ひょっとして、還されたのです?
フガク : 神霊、 神の使いなのではないか
ダミアン : (図らずしも近しいことを聞いてしまった。)
カルロ : 昔話めいてるけど俺たちは……そうして生きてきた、から。そうかもしれないな。
ロザーリオ : ……少なくとも今は私のです
カルロ : 古く、"廻(めぐり)の剣(つるぎ)"と呼ばれたのも還る謂れあってのことかもしれない。
カルロ : ……。
フガク : (不謹慎にもラシュサハの話を思い出してしまった。 偽の神に食われたという)
ダミアン : ……なるほど、得心いきました。
フガク : ロザーリオ 離さないでやってくれ 言われずともだろうが
ダミアン : ええ……今、カルロを定義づけているのは、その名前の通り……。
フガク : 己の知る神霊や神の使いになったものは……ある日忽然と人々の認識から消えてしまったり、人の心を失ってしまうものであってな
カルロ : ……俺個人でいえば未練らしい未練はなかったしな。生かされた、というのがしっくりくる。
フガク : ……トーヴも、そうだったな
ダミアン : ふむ……。(文脈からして、誰に、と尋ねるのは野暮だろうか。)
ロザーリオ : 未練が無いのに留まり続けるのはそれなりに苦労しますよね
フガク : あの街は… 未練があるものはそう見なかったな
ダミアン : 一般的に、死霊術師にどうこうされているだとか、そういうのは珍しい方なんです!
フガク : 外因的要因で蘇り、ただそこに要るのだからと歩いてきたものが大半だった
ダミアン : 母数が少ないんですよ我々は! なのに……。
ロザーリオ : 死霊術師の知り合いが居る前でそう言われてもあまり実感が湧きませんよ
ダミアン : うう……内的要因でないとサンプルケースにはなりません……、
フガク : そうさな、あんでっとを討滅する依頼では… 未練などから遺ったものも多く見てきたな
フガク : 己など、自分の身を地獄へ投じるために腹を切ったのだがな…
カルロ : 未練はなくともやりたいことはあったし、今こうしてできるからよかったよ。
ダミアン : (それは絶対未練でしょう。私は今でもそう思っています。)
ロザーリオ : 今は楽しいですし、それは良かったかな
ダミアン : ……ええ、そうです。重力からも解き放たれ、そして、主要な関連付けが変化今、貴方を新たに定義したり、関連付けたり、そういったことが必要になるかと思ったのですが。
ダミアン : ですが、カルロは現状でもいろいろ頑張っておりますよね。ほら、私を講師とする、死りょ、……。
フガク : …
ロザーリオ : 他にも何か学ぶご予定でも?
フガク : (あ、これロザーリオに言ってないな?)
カルロ : あ、うん。死霊術について。(言いづらいことは言わない性質だ。)
ダミアン : 秘密にしなくてもよいのですか?
ロザーリオ : ダミアンの話をより理解すべく?
カルロ : いや、ロザーリオのことだ。
ロザーリオ : …………殺してくれるつもりでも?
フガク : (不穏!)
ダミアン : 全く、まだそれを……。
カルロ : こればかりはこっそり暴き立てるような真似はしたくないから話さないといけないと思った。
ロザーリオ : カルロにそうされるなら別に、少なくとも厭な終わり方ではないかなと
カルロ : ……ロザーリオ。(少し怒ってるような声音で)
カルロ : 勘違いするなよ、そうじゃない。
ロザーリオ : ……他に何があるっていうんです。
フガク : (余計なこといいそうで一般お茶飲み男)
カルロ : 何も知らないままでいたくない。
ダミアン : (フガクに耳打ち。)……見ての通りなんですから、これくらいは許されるでしょう──彼は望んで死ねない身になったわけじゃないのです。
カルロ : 知っていれば避けられる悲劇もあるかもしれない…… というか、そのもっと単純に
フガク : ……そのような気はしていた(耳打ち) "戦いを見せる"ための存在になっていたこともある程度予測はついている
カルロ : ……ロザーリオのことを知りたい。
ダミアン : まあでも、あれは……。私もようやくその機序を理解できるようになりました。
フガク : ……己も死霊術を学んでいる。 ジルとベル、キューズ…… 家族のためだ。 ダミアンやフライデーがすぐに動けるとも限らない。 少しでも大切な存在の力になりたくてな
ダミアン : いえ、もっと純粋に。そこに貴賤は有りませんが……好きだから知りたいのでしょう。
フガク : ……
ダミアン : フガクが先ほどあのようにいわれたのもそのせい。あれは、聖域です。
フガク : (グサ)
ダミアン : 君も私と同類だ。
ダミアン : ……きっとそのような人間は、足を踏み入れちゃならないのです。
ロザーリオ : ……あの女に近寄るような真似は、感心出来ないかな。何処から目を付けられるか分かったものでも無し。だから
フガク : ⤵
ロザーリオ : 知っても構いませんが。私自身を調べて欲しくはない。同類のダミアンならまだしも、貴方は専門家ではないんですから。
ロザーリオ : ……ええと
ロザーリオ : でも、知りたいと思って頂けることの全てを否定したいという訳ではありません。
カルロ : ……危険だから止してほしい、だろ。
フガク : ……
ロザーリオ : ……まあ。そうなります
カルロ : あんたの手の及ばない領域だから。
フガク : (強さを認めてもらえないのはカルロにとってそこはかとなく悔しいものだろうなと、なんとなくだが思う)
フガク : 今、カルロは専門家に近づこうと学んでいる
フガク : 己よりもずっと、様々な分野に才能があり、器用な子だ
フガク : 今は……認められんでも…… いつかもう一度カルロの姿を見て判断してやってくれ ロザーリオ
フガク : 無論、危ない橋となるものは渡らせるべきではないが
フガク : 本当にいざとなったら…… 背中を預けているのは他でもない、お前達二人なのだから
ダミアン : フガク……。
ロザーリオ : ……それでも譲れないのです。
ダミアン : 強情ですよ、ロサ。
フガク : ダミアンはロザーリオの根源たる術についてどれほど理解が及んでいるんだ?
カルロ : いいんだ。俺も譲らないから。
ダミアン : ……正直なところ、全く。暗号のようです。ですが、彼を解析しようとは思いません。
フガク : まぁお前達は言葉よりも…… 実学…… 実践で見せることであろうな
ダミアン : いいえ、行いませんよそんなこと。
フガク : ダミアンでも、か…(つまり、今ロザーリオをこうした存在が悪意を持って接してくれば、取り戻せるものはいない)
ダミアン : ですが、頭の中だけであればだれにも知られません。支配術でもない限り。
ダミアン : 死霊術の基礎を知るだけであれば、或いは……。
ダミアン : 駄目ですか、ロザーリオ。
フガク : ダミアンも大概強情であった
フガク : カルロ、この件に関しては、あの剣で打ち負かした日と同じ
フガク : 全てはお前の冴えにかかっていると思う
ダミアン : ちょっと、私をお忘れですか。……カルロは私の教え子。知ることすら許されないというのなら、私も何も言わないわけにはまいりません。
フガク : 心配など振り払えるぐらい強くなって見せてくれ
カルロ : ……(普段ならロザーリオの言うとおりにしただろうが、珍しくそうしなかった)
ロザーリオ : だって、私がカルロを殺すだとか、そんな事になったら嫌です。近寄って欲しくない。
フガク : … そうだったな、ダミアン先生
フガク : ロザーリオ、カルロは強いぞ
フガク : 少なくとも攻撃を捌くことに関してはあの街の誰よりも卓越している
フガク : それを身を持って知っているのは他でもないロザーリオ自身だろうに
フガク : まぁ、相手を思うが故に仲違いはせぬようにな
カルロ : 知らない方が良いこともある、分かってるよ。
カルロ : この場の誰でもかなわないような存在が糸を引いていた…いや、今も影響を及ぼし続けているかもしれないことも。
ロザーリオ : ……冷静では無いと思います。掴んだ水がその先から茹って立ち消える程に、今、私は感情的なのだと思います。
カルロ : ……知ってしまったら戻れない。それでも、俺は。
ロザーリオ : 学んで、それで、知るからには。全てを知って、それで何時か私を支配してください。あれも年端も行かない小娘でした、貴方が知ろうとして知れない道理は無い。どうぞ上書きしてください。その方が安泰だ
ダミアン : ロザーリオ、貴方ね……。
フガク : ……
カルロ : 目を背けて蓋をした方が幸せかもしれないとしても。正しく愛せるようにありたいから。
ダミアン : カルロ、ですがあの術は……。
カルロ : ……永遠の宮殿でも断片を見てきたことだ。理を歪めて、人の尊厳を奪う傲慢な術だとも。
ロザーリオ : ……外に出てきます、夜風の冷たさで喉を満たさなければ、今にも吐いた言葉でこの場を灼き尽くしてしまいそうだ。
フガク : あの全てを還す刀を打つカルロが学びたいといったのだ。二人共、その意思を汲み取ってやって…
フガク : ……
フガク : ロザーリオ……
ダミアン : そうなさい。
カルロ : ! ロザーリオ……。
ダミアン : 今の彼にはそれがお似合いです。
フガク : 存外に……すれ違うものだな
カルロ : ……、……俺は、
ロザーリオ : (ドアを開けて、それから外に踏み出す。後ろを振り返らずに)
フガク : (本当に恐ろしい目にあったのだろうか)