21/雨雲を置いて

……今日は雷雨のようだ。
[雨に紛れる]を覚えました。
……。
誰かが、此処で集めた傘のようだ。
[傘を差す]を覚えました。
ロザーリオ : 傘を差す
ロザーリオは[傘を差している]になった
ロザーリオ : 傘を差す
ロザーリオは[傘を差している]でなくなった
フライデー : ……ん。ロザーリオ……
ロザーリオ : (傘を傘立てへと放ろうとして)おや、お久しぶりです。フライデー
フライデー : あ、ああ。久しぶりだ。
ロザーリオ : 思いのほか雨が酷かったものですから。雨宿りがてら。それともどこぞに出掛けますか?この雨雲の届かぬ場所まで。
フライデー : (起き抜けに水を飲み)
フライデー : そうだな。そろそろ仕事をせねば。
ロザーリオ : フフ、身銭にお困りで?
フライデー : まぁ。懐温かくはない。
ロザーリオ : なら丁度いい。仕事探しがてら出ましょう。
フライデー : ん。道中暇そうなやつがいたら拾っていくか
ロザーリオ : フフ、それなら傘を取って、身支度なさってくださいな。雨雲を振り切るならとんと、歩かねばなりません。
フライデー : やれやれ。今日の雨はマシだといいんだがな……
ロザーリオ : 傘を差す
ロザーリオは[傘を差している]になった
フライデー : 傘を差す!
フライデーは[傘を差している]になった
ロザーリオ : (放りだそうとした傘を差して)では行きますか。
フライデー : ん。
フライデー : 雷雨!
ロザーリオ : おや、気付いてなかったので?
フライデー : ……今日は部屋にいたから。
フライデー : 雷雲も歩けば遠ざかるだろ。さて……
ロザーリオ : なら、気付けて良かったじゃないですか。日々の天気模様を知るのも、一つの楽しみでしょう?
ルガダ : 雨に紛れる!
ルガダは[雨紛れ]でなくなった
フライデー : 雨模様一色じゃなければもっといいんだが。
フライデー : ん?
ロザーリオ : 違いない。おや、ルガダ。
フライデー : ああ、お……ルガダ。
ルガダ : こんばんは~~。こんな雨に立ち話~?
フライデー : これから出るところだが。……お前は?
ロザーリオ : 先日はどうも。フフ、雨宿りの先で会いましたので。雨雲の足の届かぬ場所まで連れ出してやろうかと
フライデー : 妙にロマンチックな言い方を……
ルガダ : いーえ。うまくいったかしら~? お母さんはちょっとお散歩してきたところだけど~……
ルガダ : いいじゃない、ロマンチック! 雨雲と競争するのね。
フライデー : 暇か?
ロザーリオ : リーンまで依頼を探しに。と言った所なんです。フフ、来ます?
ルガダ : あら~。そうそうそうそう、暇なのよ~~! よかったら行きたい!
フライデー : ん。ならば来るがいい。人手は多い方がいいからな
ロザーリオ : なら一緒に行きましょうか。雨雲の届かぬ場所まで。
フライデー : 逃避行だ
ルガダ : やったやったやった~~! 連れ出して~!
ロザーリオ : では競争。リーンの広場まで一足飛びだ。
フライデー : 競争!?
フライデー : ど、泥を跳ねさせるなよ!
ロザーリオ : ははは、そちらこそ!
ルガダ : お~? いいわねいいわね!お母さん負けないぞ~!
……今日は雷雨のようだ。