「コーヒー豆」

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ハイネ : おかえり。ちょうど入ったぞ。
グレイ : そうかよ。
ハイネ : (コーヒーカップを机に滑らせた、砂糖が一つ入っている)
グレイ : チッ……(スプーンで混ぜて溶かした)
ハイネ : それはな、アグラランの店で買った下ろしたての豆だ。
ハイネ : わりかし好評だったが、お前の口にはどうかね。
ハイネ : (と自分のカップを掴むとブラックのコーヒーを傾けた)
グレイ : ……悪か無いんじゃないか
ハイネ : そりゃよかった。
ハイネ : 薬屋で売ってた豆という変わり種だがね、なかなか味も香りも良いと私も思っているのさ。穴場だな、アレは。
グレイ : そうかよ。良く喋るな。
ハイネ : ハ、私はいつもと変わらんぞ。
グレイ : いつもうるさいと言っているんだ。
ハイネ : 構ってやってるんだよ。
グレイ : 頼んだ覚えはない
ハイネ : 私が好意でやってやってるからな。
グレイ : ハ?なんでだよ。
ハイネ : ………弟に似ていてな。無駄に真面目で融通がさっぱり効かんところなどな。
ハイネ : ま、弟はお前より余程可愛げがあるがな。
グレイ : ……ハァ?
グレイ : 僕はお前より年上だぞ……、ふざけるな……!それにだな、お前の方こそ僕の弟に似てうるさいし何かと構ってくるし鬱陶しいんだよ……ッ!
ハイネ : ハ、そういうところだよ……!
ハイネ : 大体鬱陶しい鬱陶しいというなら私の…お前の弟?
グレイ : えっ、あ、
グレイ : クソ……もう黙ってろよ……!(コーヒーを乱暴につかんで飲んだ)
ハイネ : 後半はお前がべらべらと言い出したんだろうが…。
グレイ : お前が余計な事を言うからだろうが……
ハイネ : なんだ、お前鬱陶しいという割には付き合いが良いと思っていたが、結局お前も私と一緒なわけだ。
ハイネ : ハ、慌てると落ち着きのなくなるところなどそっくりだぞ。
グレイ : う、る、さ、い!一緒にするな!!
ハイネ : お前が一番うるさいんじゃないか。
グレイ : (耳を塞いだ)クソが……コーヒーが不味くなるだろうが……!
ハイネ : 悪かった、悪かったよ。
ハイネ : ま、弟と似ていると思ったのは事実だが…だからというわけではないよ。お前個人と友人であると思っているさ。
ハイネ : ま、こういうことを言うともっと血圧が上がりそうなのがお前の難点だが…。
グレイ : 誰が友人になった。誰が。そこまで気を許したつもりは無い。
ハイネ : へえ。最初よりは気を許してくれているということか、上々だ。
グレイ : ふざけやがって……
ハイネ : 私はいつも真面目なんだがね。
グレイ : 絶対に僕をからかって遊んでいるだろ。わかるんだからな
ハイネ : 友人に対するコミュニケーションと言いたまえよ。
グレイ : 度が過ぎると言ってるんだ
ハイネ : もっと私が無礼な若者であればその私に似ている弟君とやらを追及しているさ。
ハイネ : 最低限、お前に対する礼儀はわきまえているつもりなんだがね。
グレイ : フン……もう良い部屋に戻る。じゃあな(杖を壁からひったくって立ち上がった)
ハイネ : カップはそのままでいい、片付けておくさ。
グレイ : コーヒーは悪くなかった。お前の余計なおしゃべりが無ければな……!(言い捨てて去った)
ハイネ : ハ………ああいうところが素直じゃない。
こちらは各部屋への通路のようだ。
部屋へ向かおうか?

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望む夕明亭
Master/ancotrap様