『遠い面影』

Character
グレイ
壮年の魔術師。

ハイネ
羽根の外套を纏う騎士。

Log

寂しい田園風景が続いている。
荒れ果てた園圃に営みの気配はない。
実るべき果実の代わりに、赤錆びた剣や鎧が打ち捨てられていた。
人々に置き去りにされ、時を刻むことを忘れてしまったかのようだ。
貴方の乗った馬車だけがゆっくりと動いていた。
御者が"そろそろだよ"と声をかけてくる。
グレイ : ん、そうか……
ハイネ : そうか(と、ぐっと大きく身体を伸ばした)
ハイネ : 早く地面を歩きたいものだ……。
グレイ : そうだな……
その声に静かに振り向き、馬車の行く手を見遣ると………
………丘の向こうに灰色の城郭が見えてきた。
QuestNotes scenario
「遠い面影」


国境の街、フォート・カネッサ。
交易で栄えた歴史ある街だが、近年は隣国との相次ぐ戦乱により、その輝きは過去のものとなっていた。
……街が誇る城郭もどこか枯れた老人のようだ。
貴方が受けた依頼の内容を確認しよう。
依頼主はこの街で司教を務める人物だ。
彼によれば、今年に入り住民が怪死する事件が相次いでいるという。
突然苦しみ始め、体が膨れ上がり錯乱し……最後には絶命してしまう。
病によるものか、それとも呪術によるものか、原因は判然としない。
怪しい噂だけが、戦乱に疲れた人々に染み込んでいく。
………………
グレイ : 不吉な物だよな。僕は呪術か何かだと思うが……
ハイネ : 隣国との戦乱を続ける国に、呪術のような不可解な現象、ね……。どっかの国でも聞いたような話だな。
グレイ : …………そうだな。
ハイネ : ……まあ、いい……お前でもこれだけの情報ではまだ目星もつけられないか。
グレイ : 当たり前だろ。魔術はそんなに万能な物じゃあない。
ハイネ : 流石にそうか…。精霊だって殺そうと思えば殺せるのだしな…。
城門の少し手前に馬車を止めてもらい、御者に別れを告げた。
ハイネ : ここまでどうも。
グレイ : どうも
気怠げな衛兵の一瞥を受けながら、貴方は街に歩を進める。
南側の城門から伸びる大通りには、少なくない人々が行き交っていた。
ハイネ : リーンとは流石に雰囲気が違うが、そこそこに大きな街だな。
グレイ : まずは依頼人の元に行くべきじゃないかね。少し様子を見るのは悪かないとおもうが
……だが、石畳は所々壊れたまま放置され、人々の表情には明るさがない。
依頼人である司教と教会で会うことになっている。
教会はこの通りの先にあるはずだ。先を急ごう。
露天商の前には、野菜や果物がまばらに並べられていた。
[露天商]
戦で畑が荒れたままでね、碌な物が仕入れられんのだよ……
ハイネ : だな、もう少し司教から聞ける話もあるかもしれん。
グレイ : (露店をちらりと見た。然程物が並んでいるわけでもない)
ハイネ : ……やたらに最近は、思い起こすようなものばかり見せられる……(割れた石畳を避けて歩いて行く)
[花売り]
お花、いかがですか?
中年の女性が二人、声を潜めて会話している。
[太った女性]
聞きました?またですってよ?
[痩せ気味の女性]
あの怪死事件?嫌ねぇ……こんな恐ろしいことばかり。
[太った女性]
例のほら、なんとかっていう異教の祟りなんじゃないかって話よ。
[痩せ気味の女性]
戦が一息ついたと思ったら、これですもの。
神様もお見捨てになられたのかしら。
ハイネ : 後で買わせてもらうよ、お嬢さん(と、ひらと手を振った)
グレイ : おい、余計な物を買うなよ……
ハイネ : 花一輪邪魔にもならんさ、無意味だというならお前の頭にでも飾っておいてやろうか。
グレイ : よせ。要らん。
ハイネ : ハ、だろうな。
ハイネ : (ひそひそと会話する住人の横をすり抜けて先へ歩いて行く)
グレイ : (杖を突きつつ続いた)
大通りの先へ足を進めようとしたその時……
雑踏の陰から出てきた通行人とぶつかってしまった。
ハイネ : うお…っ…!お、おい大丈夫か、盾に当たってたら相当痛いと思うが。
グレイ : 気を付けろよハイネ……
ハイネ : 気を付けようもないだろ今の……。
[小柄な人影]
どこ見てやがる!気をつけろよな!
グレイ : (ほらなという顔をした)
ハイネ : 何だ元気じゃないか……やめろその顔、どういう状況かはお前も見てただろうが……。
その人物は悪態をつきながら通り過ぎて行く。
グレイ : ハ、知らんなァ?
ハイネ : この……役に立たん同行人め。
………違和感を感じる。
ハイネ : 大体、私はここで頭一つ分大きいのにわざわざぶつかってくる状況が……。…………?
グレイ : ……確かに。僕ならまだしもお前はな……
違和感を感じる…?
目標値:15 <= 3d+感覚補正+パーセプション
達成値:16([5,6,2]+3)
判定に成功しました
ハイネ : 中々のものだろ?
何かがおかしい。軽くなったような……

……財布がない!スられてしまったのか!?
ハイネ : ……あ!?クソッ、待て貴様ッ……!!
グレイ : おい、どうした……?……!まさか
ハイネ : 路銀の袋がない!!クソッ、やられた!追いかけるぞ!
グレイ : わかった……!
[小柄な人影]
おっと、気づかれたか!?
貴方がはっと振り向くと、その人物は慌てて駆け出していく。
ハイネ : このッ……!
Round 1
小柄な人影は移動した。
小柄な人影は[4,12]へ移動した。
太った女性は移動した。
太った女性は[4,2]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[4,2]へ移動した。
痩せ気味の女性は移動した。
痩せ気味の女性は[4,2]へ移動した。
グレイの『ラアナの白灰』は距離が合わず失敗した。
ハイネのアイゼンリーゼは距離が合わず失敗した。
小柄な人影は移動した。
小柄な人影は[4,12]へ移動した。
Round 2
グレイ : ッ、クソ、邪魔しやがって……!
小柄な人影は移動した。
小柄な人影は[4,12]へ移動した。
太った女性は移動した。
太った女性は[3,3]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[4,9]へ移動した。
グレイは移動した。
グレイは[4,9]へ移動した。
痩せ気味の女性は移動した。
痩せ気味の女性は[3,3]へ移動した。
小柄な人影は移動した。
小柄な人影は[4,12]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[4,11]へ移動した。
グレイは移動した。
グレイは[4,11]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネはWillを使用した!
ハイネは[4,11]へ移動した。
Round 3
小柄な人影は移動した。
小柄な人影は[4,12]へ移動した。
太った女性は移動した。
太った女性は[2,2]へ移動した。
グレイは移動した。
グレイは[4,12]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[4,12]へ移動した。
痩せ気味の女性は移動した。
痩せ気味の女性は[2,2]へ移動した。
小柄な人影は移動した。
小柄な人影は[4,12]へ移動した。
グレイは移動した。
グレイは[4,12]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[4,12]へ移動した。
グレイ : 『ラアナの白灰』!
グレイは杖を振り翳した 達成値:13 ([2,2,1]+8)
グレイはWillを使用した!
小柄な人影に23のダメージ  ([4]+19)
小柄な人影は[重傷]になった
小柄な人影は[気絶]になった
貴方は逃げ去ろうとしたスリの腕を掴み地面に引き倒した。
グレイ : チッ、手間掛けさせやがって……
ハイネ : よくやったグレイ、手加減はしただろうな?(と、小柄な体躯をしっかりと地面へ押さえつける)
グレイ : 魔力の矢だ。初歩の術だぞ。加減しているに決まってるだろ
[小柄な人影]
ちくしょう!
ハイネ : 随分な挨拶だったが……別にこのまま殴って鬱憤を晴らそうって訳じゃない、分かるな?
スリは貴方に取り押さえられ、力なくもがいている。
グレイ : 諦めろ。そいつの力には敵わんぞ
と、その時、不意に横合いから小石が飛んできた。
ハイネ : あまり暴れるようだと怖い妖精がだな……ッ……!?
グレイ : ハイネ!?
ハイネ : ただの小石だ、問題無い!……誰だ!
[スリの仲間?]
馬鹿!何やってんだ、早く逃げろ!
グレイ : 仲間が居やがったか
小石に気を取られたその一瞬。
スリは貴方の手からすり抜けて駆け出していた。
ハイネ : 年齢も似たような……、ッ、嘘だろう!?待て!
グレイ : 馬鹿!何をしている!
ハイネ : ああ、全く……この…ッ!!(ほんの一瞬を突かれて抜けだされた、恐ろしく俊敏らしい……)
小柄な人影は[気絶]でなくなった
小路の影へ走り去る直前にスリが振り向き、一瞬、その顔がはっきりと見えた。
[小柄な人影]
くっそー……ただの旅人じゃなかったのか……
………その顔は、まだ幼さを残した少女の顔だった。
その後はもう、振り返ることもなく一目散に駆け去っていった。
気づけば、石を投げて来たスリ仲間の姿もない。
追いかけても良いが、依頼人と会う約束の時間が迫っている。
探そうにも土地勘も無い街だ。日が暮れる前に教会へ急ぐことにしよう。
ハイネ : …………恐ろしいほどの逃げ足だな……。
グレイ : ま、犬にでも噛まれたと思え。行くぞ
ハイネ : お前自分の財布でなかったからと……。ま、顔は見た……少年と思ったが…お嬢さんだなあれは。将来強かに育ちそうだ……。
ハイネ : (ハア、と溜め息をついて重盾を持ち上げなおす、グレイの後ろへついていく……。)
グレイ : ガキの性別なんぞどっちでも似たような物だろ……
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【教会】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


広場に面した教会は街の長い歴史に相応しく、荘厳な空気で満たされていた。
ステンドグラスから差し込んだ陽光が壁に描かれた宗教画を照らしている。
目線を下げれば、幾人かの市民が静かに祈りを捧げていた。
それを横目に側廊を進んでいると、男性が一人歩み寄って来る。
グレイ : (少し居心地悪そうに杖を斜めに持った)
ハイネ : (似た雰囲気に異なる建築と絵画……郷愁と現実感とで混ぜ返される頭を振った)……貴殿は……。
グレイ : 依頼をしてきたのは君かね
[司教]
失礼。もしや依頼を受けてくださった冒険者の方ではありませんか?
グレイ : そうだ。
ハイネ : ああ、私もそうだ。
貴方が肯定の言葉を返すと、男性は慇懃に頭を垂れ、別室へ貴方を招いた。
[司教]
申し遅れました。この教会を預かっております、クラッセンと申します。
グレイ : 僕はグレイ。魔術師だ。よろしく。
ハイネ : 私はハイネ。剣士……というよりは盾役だ。こちらこそよろしく頼む。
[司教]
この度は依頼を受けて下さり、ありがたく存じます。
[司教]
依頼書にも書かせて頂きましたが、この町では今、奇怪な事件が起きているのです。
グレイ : 軽くは聞いている。詳しく話してくれ
[司教]
何事もなく暮らしていた住民が突然苦しみ始めたかと思うと、その体が醜く膨れ上がり、前後不覚に暴れ始め……最後には事切れてしまうのです。
司教はそこまで語ると一息つき、悲しげに顔を歪めた。
ハイネ : それも聞いていた通りだな……。
グレイ : (続きを促した)
[司教]
このような事件が今年に入り既に九件起きています。
巻き込まれた方も含めれば十七人もの犠牲者が出ています。
[司教]
どうか……この事件の原因を突き止め解決して頂きたいのです!
ハイネ : 十七人……流行り病にしては少ないし、偶然だのなんだのとしては多すぎるな……。
グレイ : やはり呪術の線を僕は疑うがね……結論は出し難い
何か尋ねますか?
ハイネ : もう少し手がかりになるものが欲しい、集中している場所だとか……何でもいいのだが。
ハイネが[手がかりになるようなものは?]を選択しました
[司教]
巷では様々な噂が飛び交っておりますが、はっきりとしたことは何も分かっておりません。
[司教]
過去に似たような病による災禍に見舞われたと、当教会の記録にありましたが、自然快癒を待つしかなかったとあり、何か違和感を……
グレイ : そんなものが自然に治るわけがあるかよ……
ハイネ : そもそも快癒を待つ……と言い回しだと治ったものがいる……という感じだな。今回は今のところ皆死んでいると聞いてるが……。
[司教]
更には、一昨日にも怪死事件がおきてしまいました。
その際に亡くなられた方のご遺体なのですが、調査のため埋葬を待っていただいております。
[司教]
墓守に私の名を出せば、安置している遺体を検分させてもらえるはずです。墓地は城郭の北側にございます。
グレイ : はいよ……
ハイネ : 一昨日ね……冬で良かったな。
ハイネ : ま、何とか手掛かりを見つけ出すことにするかね……。
グレイ : そうだな。
グレイ : ま、もう少し話を聞いてからでも遅くはない
何か尋ねますか?
ハイネ : だな、何か気になることはあるか?
グレイ : 領主やら自警団なんぞはこの件についてどう考えてんだよ
グレイが[領主や自警団はどうしているのか?]を選択しました
[司教]
事件について陳情は行ったのですが……取り合って頂けずじまいです。
ハイネ : ……こんな状況でか?……いや、そうか隣国…。
[司教]
領主様はモンテマルパとの戦しか目に入っておられぬご様子。
一時休戦が為ったという話ですが、講和の協議が思わしくないのか……
グレイ : 隣国との競り合いの最中だものな、手が回らんと言う事か
ハイネ : だろうな、睨み合いならともかくやりあうと一気に内部のことごとは後手に回る…よくよく覚えがあるものさ。
[司教]
未だ、領主様自らモンテマルパの砦前で陣を張り、両軍、睨み合っているようです。
ハイネ : 期待は出来んな。
グレイ : そのようだ。
[司教]
街道や街の封鎖は解かれましたが、平穏な暮らしには程遠いようです……
ハイネ : ……ま、長戦だ、本当に…。
何か尋ねますか?
グレイ : 他には?
ハイネ : そうだな、事件には関係がないが……。
ハイネ : この街にスリをして生計を立てるような、そんな子供たちがいるのもそのごたごたの影響のうちの一つ、だろう?
ハイネが[スリについて]を選択しました
[司教]
ああ、スリに遭われてしまいましたか……。
恐らくスラムに住む子どもたちでしょう。
ハイネ : …遭ったなんて言って…いや……まあその通りなんだが…。
[司教]
ここ数年、隣国モンテマルパとの戦争が続いていました。
戦火で住む村を焼かれた人々が、城郭の西側に身を寄せ合っているのです。
ハイネ : 西側が焼け出された人々のスラムになった…というわけか。行くときは少し気を付けないと面倒になるかもな。
グレイ : さっきのようになるだろうしな
ハイネ : ぐ……。
[司教]
教会でも炊き出しなど支援を行っているのですが、手が回りきらず……。神に仕える者として情けないことです。
グレイ : ケッ、そうかよ
司教は一言ずつ噛みしめるように言葉を吐き出し、視線を落とした。
[司教]
彼らは盗みでもしなければ、満足に食べることもできないのです。
……どうかお許しください。
ハイネ : ま、こっちも生きていくために稼いでいる金なのでね…許す許さないの話ではないのだよな…。
グレイ : 困るんだよな。僕がこいつの代わりに財布から金を出してやる羽目になるしな
ハイネ : なんだ、出してくれる気でいたとは感動したぞ…右目からすら涙が出そうだ。
グレイ : 気が変わった
ハイネ : 冗談の通じん奴だな…悪かったって。
グレイ : (無視)
何か尋ねますか?
グレイ : もう聞くことも無いだろ。さっさと墓地に向かうぞ。
ハイネ : だな、これ以上は足を使わんとどうにもならなさそうだ。
グレイが[何も聞くことはない]を選択しました
[司教]
西の大通りにある宿を手配させて頂いております。
今日はもう日が暮れる頃合いです。どうぞ、そちらにお泊まり下さい。
グレイ : っと、そんな時間か……
ハイネ : 着いたのも昼を過ぎてからだしな、面倒ごともあったし…。ま、今日は言葉通り休むことに専念しよう。
グレイ : はいよ
[司教]
それと……こちらは調査の経費としてお使い下さい。
司教から幾許かの銀貨を受け取った。
ハイネ : へえ……手厚い依頼人だな…ま、司教ともなると普通の依頼人とは懐具合も違うか…。
[司教]
明日の夜、ここで待っておりますので、それまでに分かったことがあれば一度お聞かせ下さい。
グレイ : はいはい
ハイネ : 明日の夜ね…善処はするさ。
[司教]
それでは何卒……何卒、よろしくお願いいたします。
何か尋ねますか?
ハイネが[何も聞くことはない]を選択しました
ハイネ : ……それでは失礼する、司教殿。
ハイネ : 行くぞ、グレイ。
グレイ : はいよ
別の場所に移動しますか?
グレイが[はい]を選択しました
【宿屋】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


教えられた宿に向って人の少なくなった通りを歩く。
ハイネ : しかし、早速西側に向かうことになるとはね。ま、陽の落ち切ってないのが幸いか…。
グレイ : 次はぶつかられたりするなよ
ハイネ : そんなこと言われても悪意ある行動を回避する…のは難しいことぐらいお前だって分かってるだろうが…。
陽は稜線の向こうに隠れ、静かな夜の世界が訪れようとしていた。
気の早い三日月は太陽を追って沈んで行く。
グレイ : いいや。お前の不注意だ。
ハイネ : この…お前自分が同じ目に遭ったときは覚えておけよ。
ふと、前方から言い争うような声が聞こえてきた。
三人の男が小柄な人物を囲んで怒声を上げている。
よくよく見れば……どうやら囲まれているのは、昼間のスリのようだ。
グレイ : ハァ……
グレイ : お前の財布に無体を働いたお嬢さんが困ってるみたいだぞ。騎士様
ハイネ : 何か騒ぎでもと思ったら昼間の…お前いちいち言い回しに悪意がありすぎるだろ。
ハイネ : しかし、アレは…手痛いしっぺ返しを食らっった……ってところかね…
スリの少女に10のダメージ  
スリの少女は[5,2]へノックバックした。
[スリの少女]
うぐぅ………っ!
[身形の良い男]
この俺の財布を狙いやがって……薄汚ねぇガキが!
男の放った蹴りが少女の腹に突き刺さる。
少女は数歩よろめき壁にぶつかると、苦痛に顔を歪め必死で呼吸している。
グレイ : お前もあれくらいやれば良かったんじゃないか
ハイネ : 子供にそこまでやれるかよ、お前もしっかり手加減を入れていたくせに。
グレイ : フン、お前が居なきゃ殺してたさ
ハイネ : ハ、そりゃ有難いことで…ま、これも結局のところ縁かね…。(と、一歩前に出ていく)
[スリの少女]
ちくしょう……!盗って何が悪い!
知ってるぞ!お前、バルデラ商会のバカ息子だろう!
[スリの少女]
禁制品どころか人まで売り買いしやがって!
悪魔だって、あんな悪どい商売しないだろうぜ!
[身形の良い男]
ふん、俺が誰だか知っていて狙うとは良い根性だ。
この街で俺に盾突くとどうなるか、よ〜く教えてやろうじゃないか!
スリの少女に10のダメージ  
スリの少女は[重傷]になった
スリの少女は[気絶]になった
男が目配せすると、取り巻きは少女の顔面に容赦なく拳を叩き込んだ。
グレイ : さて、どうするよ。騎士様。
ハイネ : ま、お嬢さんに話の先約をしているのは私達だ。順番抜かしはご遠慮願うかね。
グレイ : はいはい……人のよろしい事で……
[身形の良い男]
ん?何だお前は……ジロジロ見やがって、何か文句でもあんのか?
ハイネ : そりゃあ、あるさ。私達の方がそこのお嬢さんに先に用事があったというのに。
貴方に気づいた男が睨みつけてくる。
ハイネが[スリの少女を助ける]を選択しました
[スリの少女]
うぅ……、あんたは昼間の……なんで………。
ハイネ : 私の路銀を貸してるだろう?返してもらうぞ。
グレイ : そういうわけだ。ちゃんと返せよ
[身形の良い男]
こいつの仲間か!?
はっ!馬鹿が!一緒に始末してやるよ!
男の抜き放った長剣が三日月の微かな光を受けギラリと光った。
ハイネ : 素人の玩具遊びはやめたほうが良いと思うがね…。
Round 1
破落戸は移動した。
破落戸は[6,3]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[8,4]へ移動した。
身形の良い男は待機した。
破落戸は移動した。
破落戸は[8,2]へ移動した。
グレイは移動した。
グレイは[9,4]へ移動した。
グレイ : 『ラアナの白灰』!
グレイは杖を振り翳した 達成値:20 ([1,5,6]+8)
破落戸に23のダメージ  ([5]+19)
破落戸は[重傷]になった
破落戸は[気絶]になった
Round 2
身形の良い男は待機した。
破落戸は移動した。
破落戸は[8,3]へ移動した。
グレイ : 『ラアナの白灰』!
グレイは杖を振り翳した 達成値:21 ([6,1,6]+8)
身形の良い男に22のダメージ  ([5]+19)
身形の良い男は[重傷]になった
身形の良い男は[気絶]になった
ハイネは待機した。
ハイネ : シルトシュラーク!
巨大な盾を敵に向かって振り下ろす! 達成値:11 ([1,3,4]+3)
破落戸は防御した。
ダメージを1軽減!  ([]+1)
破落戸に24のダメージ  ([5,2,4,2]+13)
破落戸は[重傷]になった
破落戸は[気絶]になった
[身形の良い男]
クソが!この借りは必ず返すからな!
ただで済むと思うなよ…、後悔させてやるからな……!

グレイ : ケッ、言ってろ
ハイネ : 要らん、そのまま持ってけ…。
男達は捨て台詞を吐きながら、ほうほうの体で夜の街の陰に消えていった。
ハイネ : さてと、ご機嫌如何かなお嬢さん。折れたりはしてないな?
貴方が近寄ると、少女は鼻血まみれの顔を拭い、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎ始めた。
[スリの少女]
………助けてくれて……その……ありがとう。
グレイ : 用事があるのは財布だろ
ハイネ : ま、そうだな。ただただ正義だとか、そんなものでもないんだよ。
ハイネが[助けた訳じゃない]を選択しました
[スリの少女]
そう……ううん、いいんだ。私が勝手に言いたいだけだから。
……ありがとう。
[スリの少女]
…そうだ。これ…返さなきゃね。
少女はそう言うと貴方から盗った財布を取り出し、差し出してきた。
ハイネ : どうも。…スリをして暮らしていくには素直すぎるがね。
[スリの少女]
その……、ごめんなさい。
言い訳のしようもないし、許してもらえるとも思わないけど……。
ハイネ : 許す許さないの話など、そもそもしていないしな。
グレイ : ……お人よしが
ハイネ : ハ、そうかね。
貴方はその言葉を聞いて謝罪を受け入れたかもしれない。
あるいは、嫌悪の感情を強めたかもしれない。
[スリの少女]
あいつら三人も居たのに……すごく強いんだな。
……冒険者なんだろう?
ハイネ : ま、こんな盾を持ったのと大層な杖の魔術師だ、そうでないという方が面白い。
少女は貴方と視線を合わせ、真剣な表情で何かを思いつめている。

どこかでホーッホーッと、フクロウが夜を告げていた。
スリの少女は[気絶]でなくなった
[スリの少女]
私も……あんたみたいに……。
グレイ : なれるように見えるのかよ。おめでたい頭だな……
そう呟くとフラフラと立ち上がり、通りの先へ歩き始めた。
[スリの少女]
恩は必ず返すから……
そして少女は夜の街に溶け込んでいった……。
ハイネ : ……向いてなさそうだ、冒険者にも、ここで生きていくにもな。
グレイ : そうだな……。
ハイネ : ……ま、似たような性格のご先輩も……多いがな。
少女を見送った貴方は宿で眠りにつく。
依頼の事、少女の事、深いまどろみの中で今日の出来事が溶けていく。
ハイネ は全回復しました。
グレイ は全回復しました。


翌朝……
本格的な調査を開始すべく、宿を出た貴方たちの前には……
[スリの少女]
おはよう!
グレイ : (顔を顰めた)
ハイネ : …………。
ハイネ : 何をしているんだお嬢さん?宿のモーニングサービスの一環でもあるまい。
笑顔で挨拶するスリの少女の姿があった。
[スリの少女]
昨日のお詫びとお礼を兼ねてさ、調査を手伝ってあげるよ!
ハイネ : …………何で君が調査なんて言葉を持ち出してくるんだ。
ハイネが[なぜ調査の件を知っている?]を選択しました
[スリの少女]
仲間に神頼みが好きな奴がいてさ、司教様が例の事件解決のために冒険者を雇ったって話を聞いたんだ。
[スリの少女]
きっと、あんたのことだろうと思ってさ。当たってるでしょう?
グレイ : どうだかね。
ハイネ : ………隠しても無駄っぽいぞ。
グレイ : チッ……
ハイネ : 宿だってここ一つじゃないだろう、まさか全部探してきたのか?
ハイネが[なぜここが?]を選択しました
[スリの少女]
この辺りの宿っていえば、ここしかないからね。
ここで待ってればきっと会えると思ってさ。
ハイネ : ……あんな時間にここを歩いていれば、ってことか……頭は回るようだぞ……。
グレイ : 面倒な……
ハイネ : 手伝ってくれるといったって……どう私達を手伝う気だ?
ハイネが[役に立つのか?]を選択しました
[スリの少女]
任せてよ!あんたこの街は初めてだろ?色々案内できるし…
さっそく情報だって仕入れてきたんだから!
グレイ : ほーうそりゃご苦労な事で
ハイネ : ハア……。
ハイネ : ……どうする、グレイ。ああいうタイプはな、来るなというほど後ろからこっそりきて面倒ごとを持ってくるぞ。
グレイ : どうせどう言った所で影からつけられるだろ。連れて行った方が手間がかからんと僕は思うよ。
グレイ : (溜息)
ハイネ : ……お前も同意見ならしょうがない……なるべく面倒ごとは起こしてくれるなよお嬢さん。
ハイネが[【同行を許可する】]を選択しました
[スリの少女]
そうこなくっちゃ!よろしくね!
ハイネ : よろしく……。
グレイ : …………ケッ
少女はパっと明るく微笑むと、軽く飛び跳ねて喜びを顕にした。
[スリの少女]
そうだ。まだ名前教えてなかったね。あたしはミオカ!
グレイ : そうかよ。
ハイネ : どうも、お嬢さん。私はハイネ、こっちのがグレイだ。
ハイネ : あまりこいつの前で面倒ごとを起こすなよ、妖精に食われても知らんからな。
グレイ : 勝手に名乗るなよ……
ハイネ : 「己の真の名前を簡単に他人に晒すな」か?
グレイ : フン、今名乗ってるのは聞かせた所でそう困ることにならんものだがね
ハイネ : だろうな、だから言った。
グレイ : こいつ……
ハイネ : 私にそう教えたお前が、宿で出会っただけの私にそう簡単に本当の名を晒す訳なかろう。
ハイネ : ま、私もその点問題ない……。
グレイ : ハ、そりゃ殊勝な事で
[ミオカ]
よーし、じゃあ頑張って調査しようね!みんな!
ハイネ : 元気なことで。回復が早いな……。
グレイ : はいはい……
[ミオカ]
みんな、それで調査のことなんだけど……
今朝もまた怪死事件が起きたんだってさ。場所も聞いてるから案内できるよ?
ハイネ : へえ、新鮮な手掛かりと会えそうだぞ、グレイ。
グレイ : そりゃ結構。さっさと行くか
貴方はミオカに案内させても良いし、別の場所を当たっても構わない。
事件解決に向けて調査を開始しよう。
グレイ : さて、新しい方から行こうかね……
グレイ : ミオカと会話!
[ミオカ]
なになに、どうかした?
グレイが[事件について聞く]を選択しました
[ミオカ]
怖いよね。あたしも噂でしか知らなかったんだけど……
もう十人以上、死んでるって聞いたよ。
[ミオカ]
きっとバルデラ商会がバラ撒いた麻薬か何かのせいだよ!
グレイ : 麻薬……?
ハイネ : ……薬でそこまでのことになるならとんでもないな。
[ミオカ]
そうそう、今朝も南東の区画で怪死事件が起きたんだって。
調べるなら案内できるよ?
グレイ : そんじゃ頼もうかね……お前を信頼できるかどうかの試金石にでもしよう
今、話すべきことはない。
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【犠牲者宅】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


ミオカに案内され、込み入った古い街路を進んでいた。
陽の光も遮られがちな暗い小道だったが、人々の細やかな暮らしが息づいているのが見て取れた。
…………
時折、ひそひそと何かを噂し合う住人たちの姿があった。
近所で起きた怪事件について憶測が飛び交っているのだろう。
ふと、どこかの家の台所から流れてくる料理の匂いに混ざって、鉄錆びた…血の匂いが鼻をかすめた。
[ミオカ]
みんな、ここだよ。
ハイネ : 案内どうも、お嬢さん。
グレイ : さて、どうなるやら
ミオカはそう言って、一軒の住宅の前で足を止めた。
その住宅に変わったところは見受けられない。
だが中から漂う血の匂いと不穏な空気がそれを否定していた。
戸を叩こうとしたところ、横合いから貴方に声が掛けられた。
ハイネ : ……うん?
[司教]
これは冒険者様!
グレイ : む
ハイネ : 司教殿?
声に振り向けば、司教が小走りで駆けてくるところだった。
[司教]
今朝も事件が起きたと連絡があり、呼ばれて参ったのですが…
さすがは冒険者様、耳が早い。
ハイネ : ま、ちょっとした手助けを受けてね……。
グレイ : そういう訳だ。
合流した司教と共に改めて戸を叩き、出てきた婦人に調査を申し出た。
婦人に案内され、二階に上がるとそこは血の海と化していた。
部屋の奥には真っ赤に身を染めた男性が一人、うつ伏せに倒れている。
ハイネ : なるほど、そりゃあ事切れるわけだ。
グレイ : 酷い物だな
静かな街並みから一転、異界に迷い込んだような錯覚を覚える。
[婦人]
ああ!司教様……私はもう何が……どうしたら!?
婦人は泣きながら司教に取りすがり、嘆きを訴えていた。
司教は慰めの言葉を掛け、顔や腕に負っていた怪我の手当をすると
落ち着いた頃合いを見計らい、何が起きたのか説明を促した。
[婦人]
最初は…夜が明ける頃、一緒に眠っていた夫が突然、胸をかきむしり苦しみ始めたのです。
[婦人]
私が声をかけても、唸って苦しみの声を上げるばかりで…
次第に夫の体が赤く腫れ上がり始め、私が誰か人を呼びに行こうとしたところ…
[婦人]
夫が弾けるように腕を振り回し、私を跳ね飛ばしたのです。
そして、私が狼狽しているうちに……夫は血を吐き…動かなくなったのです。
婦人は嗚咽に言葉をつまらせながら事の次第を説明してくれた。
ハイネ : ……ふむ、隣り合って寝ていた中で旦那の方だけが、ね……。
グレイ : 変わっているな
[婦人]
夫はただの左官職人で……
昨日もいつもと変わらない一日だったのに…!
[司教]
なんと痛ましいことでしょう……
[司教]
このご婦人は軽傷だったようですが、同じように巻き込まれた方の中には落命されてしまった方もいらっしゃいます。
[司教]
何か……悪しき意志を感じずにはいられません。
グレイ : 犠牲者をよく見るべきだと思うがね
グレイ : (ローブに血が付かぬようにと持ち上げて寄った)
貴方は犠牲者の遺体に近づき検分を始めた。
ハイネ : ……感染だとかそういうのでは無くて……巻き込まれる?聞けば聞くほど妙だが……。
ハイネ : と、私も見るよ。
体が腫れ上がったと言うことだったが、これは、もはや腫れ上がったという表現では済まないだろう。
体中の筋肉が赤黒く膨張し、オーガのような悪鬼の様相を為している。
グレイ : (顔を顰めた)
[ミオカ]
うっ……これは、ひどいや…。
ハイネ : 吐く前に外に出てもいいぞ。
ハイネ : しかし、グレイ……こんなもの見たことがあるか?
グレイ : 無いな。これほど衝撃的なものであれば記憶に残らん訳がない。
ハイネ : だろうな。
覗き込んだミオカがとっさに口元を手で抑える。
………!?
息絶えたかに見えた男性の体が俄に起き上がり、襲いかかってきた!
ハイネ : 魔力の類とかは分かるか?お前なら……ッ!?
グレイ : っ、!
Round 1
ハイネ : クソッ、何だ……!この出血量で生きてるはずがない!
司教 : 結界!
司教に30のシールドが付与された  
犠牲者 : 暴れる!
グレイ : (杖を目前に構え)
グレイは防御した。
ダメージを5軽減!  ([]+9)/2
グレイに7のダメージ  ([5,6]+10)
グレイは[2,4]へノックバックした。
ハイネは移動した。
ハイネは[3,2]へ移動した。
グレイ : リンギンベルッ! 『レルアバドの赫』!
グレイは杖を地に突き立てた 達成値:19 ([5,2,4]+8)
犠牲者に24のダメージ  ([4,1,2,2]+15)
犠牲者は[重傷]になった
司教 : ブレッシング!
ハイネは[ブレッシング]になった
Round 2
ハイネ : グレイ!
グレイ : ッ、!!問題ない!(突き飛ばされたがどうにか受け身を取った)
犠牲者は攻撃した。 達成値:9 ([2,1,1]+5)
ハイネは防御した。
ダメージを12軽減!  ([]+16)/2+([]+4)
ハイネに0のダメージ  ([5]+10)
司教 : ブレッシング!
ミオカは[ブレッシング]になった
ハイネ : すまない、ご婦人……!終わらせる!
ハイネは攻撃した。 達成値:12 ([5,2,2]+3)
犠牲者に26のダメージ  ([5,3]+18)
犠牲者は[気絶]になった
攻防の末、貴方は怪異と化した男性を打ち伏せた。
グレイ : クソ……そういう事かよ。事件の件数と被害者の合わなさは
ハイネ : こんな話は……聞いていないぞ。(血を払って、剣を納める。婦人に視線を送るのは、やめた)
もう男性が動くことはない。
ハイネ : (溜息をつく)
ハイネ : ……グレイ、何かありそうか。
グレイ : 僕は何も見つけてないが
犠牲者の男性が暴れた弾みで転がり出たのか、一本の酒瓶が転がっていた。
グレイ : ……?
グレイ : ハイネ、これは
ハイネ : 何だ。……瓶?酒の類かね。
何か違和感が……?
グレイ : ……
グレイが[調べる(知力+マジックマスタリ)]を選択しました

目標値:15 <= 3d+知力補正+マジックマスタリー
グレイ:成功!(24)([4,1,1]+18)
ハイネ:成功!(15)([5,6,5]-1)
ミオカ:失敗・・(7)([5,2,1]-1)
ハイネ : 中々のものだろ?
グレイ : 造作も無い
貴方は微かだが、瓶に残留する魔力に気づいた。
忌々しいドロドロとした意志がへばりついているかのようだ。
グレイ : 妙な魔力の残滓……
ハイネ : 何かそれ、気分が悪いのだが……。
ハイネ : 精霊がざわつくというか、私にはよくわからんが……。
男性は酒瓶に仕込まれた呪毒によって殺されたのか……?
グレイ : 嫌な代物ではあるのだが……
[ミオカ]
お酒は呑まないから分からないけど、このラベルに入ってるマークはバルデラ商会のやつだね。
ハイネ : バルデラ……さっき麻薬をばら撒くだのなんだの言っていたところだな。
[ミオカ]
お酒のことを調べるなら……酒場かな?
ハイネ : ……酒に、酒場……ね。
グレイ : 道理ではあるが。そう素直に行くかね
[司教]
人を化性に変える呪術だとでも言うのでしょうか…?
[司教]
これが何者かの仕業だと言うのであれば、まさに悪魔の所業です。
これ以上の犠牲が出ずに済むよう……調査をお願い致します!
[司教]
私はこの場の始末を指示した後、教会に戻ります。
何かあれば、そちらでまた。
そう言うと、司教は気絶した婦人を抱え階下へ降りていった。
ハイネ : ……気を失ってくれてむしろありがたいかね。
ハイネ : 行くぞ、グレイ。
グレイ : はいよ
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【酒場】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


情報を求めて、街の酒場にやって来た。
昼間だというのに、既に出来上がってしまっている客が少なからずいるようだ。
店内の様子は至って普通の酒場だ。
良くも悪くも、酔っぱらいの溜まり場である。
ハイネ : さてと……。
グレイ : チッ昼から飲みやがって
[店主]
……何か呑むかね?
ハイネ : いや、要らん……。
グレイ : 呑まねえよ。この酒について教えて欲しいんだが
グレイが[酒瓶について尋ねる]を選択しました
犠牲者宅で見つけた酒瓶を店主に見せてみた。
[店主]
ああ、これはバルデラ商会が卸してる酒だな。
もっとも、この街で流通してる酒は全部、商会の奴だがな。
ハイネ : 相当大きな商会らしいな……。
[店主]
この街じゃ、何でもかんでもバルデラ商会の仕切りさ。
たまらんよ。
[店主]
領主様に収めてる武器も、酒も、食料も。
逆らおうものなら、次の日には街外れで犬の餌になる始末さ。
グレイ : 相当だなそりゃ
ハイネ : 生きるも死ぬも、か。厄介な構造のようだなこの街は……。
[店主]
……何か呑むかね?
ハイネ : その商会、もう少し話を聞かせてくれ。
ハイネが[バルデラ商会について尋ねる]を選択しました
[店主]
ん……噂をすれば……ちょっと大人しくしてな。
ハイネ : む……。
ハイネ : (カウンターの一席に座る)
グレイ : ん……
[バルデラ商会の男]
ちっ、忌々しい……
あんな連中、火でも付けて焼き殺しちまえば早いんだ!
昨晩の男が、物騒な悪態を付きながら店に入ってきた。
ハイネ : (おいマジか……という顔をした)
グレイ : ……(フードを深く被り直し)
[バルデラ商会の男]
親父!俺に客が来てるだろう!?
店主は黙って、店の奥の扉を指し示す。
[バルデラ商会の男]
けっ!愛想のねぇ野郎だ。
男は貴方達に気づく様子もなく、奥の扉へ消えていった。
ふと……男が扉を開けた瞬間、特徴的な甘い匂いが漂った。
[店主]
関わり合いになんざなりたくない奴だが……
商会に頭を下げなきゃ、この街じゃ商売もできん。
ハイネ : ……そう言えば昨日のアレ、商会がなんとか言っていたような気がするな……。
グレイ : そういやあそうだな……
[店主]
何か知りたいなら、聞き耳でも立ててみたらどうだ?
俺は何も見てないし、何も知らん。
ハイネ : それはありがたいことで……。商会……ひいては彼の人徳の高さがよくわかるな。
ハイネ : 耳と来たら出番だろ。グレイ。
グレイ : はいはい……そう便利に使うなよ
貴方は扉に最も近い席に移動し、扉の中の物音に集中した。
[バルデラ商会の男]
お前の……で、………できるのか?
[???]
……病の……ように……
[バルデラ商会の男]
………スラムの……………殺して……
それ以上は聞き取れなかった。
グレイ : ……ダメだな。随分発音が訛っていやがる。聞き取れん。
ハイネ : お前でそうなら私じゃもっと無理だな……何か単語でも分からなかったか?
グレイ : 病のように……だとかスラムの〜なんぞは聞き取れたが……
グレイ : その間に何が挟まってるのかだとかはよくわからん
ハイネ : ふむ、きな臭くはあるが、確信にはならんな……。
[よっぱらい]
ひひっ…!
男は何も言わず、貴方をじろじろと眺め回している。
相当な量の酒を呑んでいるようだ。
机の端には怪しげな包み紙も散らばっている。麻薬の類だろうか。
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【墓地】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


一旦、西門から城郭を出て街の北へ進むと墓地が見えてきた。
隣国との戦争によるものか真新しい墓が目立つ。
グレイ : 新しい物ばかりだな。司教の名を出せば良いのだったか
ハイネ : やりあったところなんだろ、当然の結果だよ。
林立する墓標を撫でる風に、無情を感じさせられる。
墓に手向けられた花が風に散らされ、花びらが舞い上がって行く……
ハイネ : 彼かな、墓守とやらは。
グレイ : だろうな
墓地の掃除をしている、墓守と思しき男性を見つけ話しかけた。
ハイネ : どうも、少しいいだろうか。
[墓守の老人]
ああ、司教様から聞いてるよ。あの事件について調べるんだってね。
[墓守の老人]
何か力になれるかね?
グレイ : 遺体を確認させてくれ
グレイが[犠牲者の遺体を検分する]を選択しました
[墓守の老人]
分かった。ついておいで。
老人に案内され、半地下になった石造りの安置所へ向かった。
中に足を踏み込むと、冷たい空気と腐臭が流れてきた。
[墓守の老人]
あのご遺体がそうだよ。
両脇に設けられた棚の一角に、布を被せられた遺体が安置されていた。
グレイ : わかったよ。
ハイネ : どうも。……ま、綺麗な状態と思わん方がよさそうだな。
墓守の老人は祈りの仕草の後、そっと遺体に被せられた布を捲くってみせた。
[墓守の老人]
酷いものだろう。生前の面影なんて分かりゃしない……
体中が膨れ上がったその姿は、人間の遺体と言うよりはオーガのような怪物を連想させた。
ハイネ : ……同じだな。
グレイ : さっきの奴と似ているな。
[墓守の老人]
昔、流行した流行病じゃないかと噂する連中がいるが、これは断じて違う!
[墓守の老人]
確かに儂が若い頃、体中が腫れ上がる病が流行ったが死に至るようなものではなかった。
ハイネ : ああ、やはりか……自然快癒を待つ、なんて言い回しはおかしいと思っていたが。
ハイネ : 手立てがなかっただけで治ったんだな。
グレイ : そうだな。こんな状態に陥る上死ぬものを放置するのはおかしい。
[墓守の老人]
それに……不吉なことを言うようじゃが、事件が起きる度にご遺体の有様がひどくなっている気がして……いや、はっきりと……
言われてみれば、先程の犠牲者の遺体の方がより大きく膨張していたことに気づく。
ハイネ : ……なるほどな、確かにこちらの方が幾らかマシだ。
グレイ : ……僕の見間違いでもないらしいな(ハイネの言葉に同意した)
……………
死亡してから時間が経ち、若干、腐敗も進んでしまったせいか、遺体から特筆すべき痕跡は見つけられなかった。
ハイネ : ああ、それは確実だ……。何か分かるか?グレイ。私では見た目の違いくらいしか……。
グレイ : 僕がそんなに死体を見慣れてるように思うのかよ。そうそうわからんよ……
墓守に礼を言い、その場を後にすることにした。
グレイ : どうも。まあ感謝しておくさ。
ハイネ : 魔力の類だとかはお前だろ……。ご老人、邪魔したな。感謝する。
グレイ : 時間が経てば痕跡も薄れる。あれくらい時間が経っているなら辿るのは困難だよ
ハイネ : そういうものなのか……。
グレイ : 他を当たるぞ。さっきの酒場で聞いたスラムなんぞどうだ。
ハイネ : さて、とりあえず重要な3点は回ったわけだが……。そうだな、ミオカもいればそうそうスラれないだろうし。
グレイ : このガキがスリを働かない限りはな。
ハイネ : ハ、少しは仲良くしろよ……。ま、行くぞ。
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【スラム】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


南の大通りから城郭を出て西側に目を向けると、そこには粗末な造りの建物がひしめき合っていた。
有り合わせの材料で、どうにか家の体を成したような家屋の合間から、埃っぽい匂いが漂ってくる。
[ミオカ]
汚いところだろ?
いつかは……もうちょっとマシなところに住みたいよなぁ。
グレイ : さて、話を聞いてみるかね
ハイネ : ま……私達からどうも言えんさ。そうだな……すまない其処の……。
貴方が道端に目を向ければ、だらしなく壁にもたれている男性の姿が目に入った。
[初老の男性]
ひっ……きひひ……
男性は焦点の合わない目で虚空を見つめ、時折ピクリと指先を痙攣させている。
グレイ : (顔を顰めた)
ハイネ : ……。
どうやら何かの薬物を乱用しているようだ。
彼の足元に使用したであろう薬の包み紙が散らばっている。
[ミオカ]
あー……このおっちゃんはいつもこうなんだ。
ちょっと小銭が入ると薬に手を出して……。
ハイネ : ……酒場でも見たよな、あの包み紙……。
グレイ : 薬物か……
[ミオカ]
ほら見てよ、この包み紙。バルデラ商会のさ。
ハイネ : なるほど、麻薬をばら撒くだのなんだのは言いがかりでも何でもないわけか……。
グレイ : こんなものにまで印をつけるとは、えらく自己主張の激しい商会なんだな
ハイネ : それだけやってもお咎めなしってことなんだろ、もはや止めると国という心臓が止まる……。
グレイ : ハ……そりゃそうか。
[ミオカ]
みんなはこんな薬に手を出しちゃだめだよ?
グレイ : 出すかよ。まだ命は惜しい
ハイネ : 子供の時分から薬は嫌いでね……。
………散らばる包み紙の中に、未開封の物を見つけた。
何かの手がかりになるかもしれない。一つ拝借することにした。
グレイ : (こっそり1つ拾った)
スラムに足を踏み入れた貴方に声が掛けられる。
[物乞い]
へへっ、こんなところに何の用だい?
ハイネ : ま、色々野暮用でね……。
道端に座り込んだスラムの住人が貴方の身なりを値踏みしていた。
グレイ : そいつの付き添いでね
ハイネ : ……貴殿も連日の事件については聞いているだろう、何か知らないか?
ハイネが[事件について尋ねる]を選択しました
[物乞い]
あ〜…腹が減ったなぁ?
ハイネ : …………。
ハイネ : ……金じゃないだけだいぶ礼儀正しくはあるな……。
グレイ : やるもんは無いぞ。
ハイネ : 私も食い物は持ち合わせていない……。
ハイネは何も入力しませんでした。
[物乞い]
ちっ……
小さく舌打ちし、そっぽを向いてしまった。
グレイ : 機嫌を損ねたな。
ハイネ : 無いものはどうしようもないからな……機嫌を取るにもどうしようもない。
ハイネ : しょうがない、入り口の大通りに露店があっただろ、何か売ってたか?
グレイ : 大したものは無かったが、食い物はあったな
ハイネ : そうか。これ以上進んでも何もなさそうだし、一度そっちで調達してもう一度聞いてみるか…。
ハイネ : …そこまでして聞くことでもないかもしれんがな。
グレイ : へいへい……
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【南の大通り】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました
ハイネ : ここか。
グレイ : そのようだ。
ハイネ : 芋とオレンジ……、オレンジの方が食いやすくはあるが。
グレイ : 生で芋なんぞ食わせる気かよ
ハイネ : 生で食わせるわけあるか。腹に溜まるのは芋だろ。
グレイ : どうせあの手の手合いはまともな調理なんぞしないだろ。そのまま食える物の方が良いと僕は思うがね
ハイネ : そうするか……(相場より高いオレンジを一つ買った)
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【スラム】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


スラムに足を踏み入れた貴方に声が掛けられる。
[物乞い]
へへっ、こんなところに何の用だい?
道端に座り込んだスラムの住人が貴方の身なりを値踏みしていた。
ハイネが[事件について尋ねる]を選択しました
[物乞い]
あ〜…腹が減ったなぁ?
ハイネ : 白々しいぞ……(オレンジを取り出した)
ハイネが[オレンジ]を入力しました
[物乞い]
おっと、悪いねえ。
ハイネ : どうも。
男は差し出されたオレンジにかじりつき、半分ほど平らげると話を始めた。
[物乞い]
で、何だったか。
何?近頃、街で起きてる事件についてだ?
グレイ : (ほらなといった顔)
ハイネ : (隣の術師の顔は見なかったことにした)そうだ、忘れちゃ困るぞ。私は情報を買うために渡したんだからな。
[物乞い]
んー…知らんな。
昔、体中が腫れ上がる風土病があったって聞くし、それじゃないのか?
[物乞い]
あ、そういや……
関係あるかは知らんが、昨晩、妙な奴がいたな。
グレイ : 妙な奴?
ハイネ : 知らんって貴様な……何?
[物乞い]
井戸に何か投げ込もうとして揉め事になって逃げてった奴が。
ハイネ : ……井戸だと?
グレイ : ……
[物乞い]
妙な甘ったるい匂いさせてたから、うちの犬がキャンキャン吠えてしょうがなかったぜ。
ハイネ : 匂い?甘い匂い……何処かでそんな匂いを嗅いだな。
グレイ : 調べられるなら調べた方が良さそうだな
道端に座り込んだスラムの住人が貴方の身なりを値踏みしていた。
ハイネ : もうちょっとその匂いについて教えてもらっていいか?
ハイネが[不審者の匂いについて]を選択しました
グレイ : これだろ。
グレイが[不審な酒瓶]を入力しました
[物乞い]
嫌に甘ったる匂いをさせてたな。香水かね?
グレイ : 違うのか。
ハイネ : 香水はそれには入れんだろうしな……。
グレイ : チッ、よそを当たった方が良さそうだな……
ハイネ : ま、次の手がかりは井戸か。高い果実を買った甲斐はあったかね。
別の場所に移動しますか?
【領主の館】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


教会のある広場を抜け、大通りをさらに進むと領主の館の門前に出る。
門の左右を兵が固め、門の奥に見える櫓からは、弓を持った兵がこちらを睨んでいた。
ハイネ : 井戸……はこっちではないな、明らかに。
グレイ : 領主の館だろ。他より随分立派な建物だしな
ハイネ : ああ、例の……。司教殿とは真っ向から意見が食い違っているようだし、歓迎は期待せん方がよさそうだ。
グレイ : 一応話を聞けるなら聞いておきたいがね。
ハイネ : ま、善処するさ……。どうも、少し良いだろうか。
ハイネ : (と片方の衛兵に話しかけた)
[大柄な衛兵]
…あまりこの辺りをうろつくな。
[大柄な衛兵]
何か用ならそっちの赤毛の奴に聞いてくれ。
ハイネ : それは失礼。では、そちらの……。
[赤毛の衛兵]
何の用だい?
ハイネ : 近頃騒ぎになっている事件があるだろう。
ハイネが[事件について]を選択しました
[赤毛の衛兵]
あーあー。噂になってる奴ね。
司教さんが物申してたな。そういや。
[赤毛の衛兵]
そりゃー解決するに越したことはなかろうけども。
街には最低限の兵しか残ってないし、今更、一人二人死んでもねぇ。
グレイ : そうかよ……
ハイネ : なるほどね……領主の思考は司教殿の言った通りの方向性ということか。
[赤毛の衛兵]
何の用だい?
グレイ : 商会について教えてくれよ。こっちの方で幅利かせてんだろ
グレイが[バルデラ商会について]を選択しました
[赤毛の衛兵]
大きな声じゃ言えんがね、いい迷惑だよ、あいつらには。
[赤毛の衛兵]
領主様に袖の下贈って誑かして、戦争が続いてるのだって連中のせいみたいなもんだよ。
ハイネ : へえ……随分粗悪な血管を心臓に繋いでしまったものだな。
[赤毛の衛兵]
我が物顔でやりたい放題。俺たち衛兵も、連中にはなーんにも言えん。
グレイ : 余り期待しちゃいなかったがそこまでかよ
[赤毛の衛兵]
ん、商会の在所?そこだよ。

衛兵は忌々しげに彼の背後を示した。
ハイネ : なるほどね……どうも。
[赤毛の衛兵]
この内門の中に間借りしてるのさ。
当然、立入禁止だからな。ちょっかいだしてくれるなよ?
[赤毛の衛兵]
何の用だい?
ハイネ : ま、正面切ってやり込むつもりはないが……今のところはな。
グレイ : へいへい……
ハイネ : で、商会が噛んでいる隣国との戦争とやら、もう少し詳しく聞いておきたいんだが。
ハイネが[戦争について]を選択しました
[赤毛の衛兵]
そりゃー酷いもんよ。
俺もこないだまで前線に詰めてたけどね。
[赤毛の衛兵]
戦略上必要だとか言って、村を焼かされたりしたもんだから…
デセ、アダバ、コレムの村の辺りなんか何も残っちゃいないよ。
グレイ : 戦略上ねえ……
ハイネ : もはや民にとってはどっちが侵略者だか分からんだろうな。
[赤毛の衛兵]
コレムなんか、モンテマルパの連中が信じてる神さんの神殿かなんかがあるとかで、そりゃー念入りに……
ハイネ : …………。
ハイネ : 邪教も聖教も、人の目次第だ……。
グレイ : フン、どこも同じだな。
[赤毛の衛兵]
今じゃ、死霊の溜まり場だって噂さ。
巷で噂の事件も、連中の祟りだって言われたら信じるね。
ハイネ : 死霊ね……。
グレイ : 都合の良い悪者造りが得意なことで……
[赤毛の衛兵]
何の用だい?
ハイネ : で、その戦争の弊害がスリだとかの治安の悪さに繋がるのか?
ハイネが[スリについて]を選択しました
[赤毛の衛兵]
あーあー。スリにあったのかい?ご愁傷さま。
[赤毛の衛兵]
悪いけど、人手も足りてなくてね。いちいち取り締まってられんのよ。
ハイネ : だろうな。
ハイネ : これだけの事件を放置しているような領主の下でスリ如きを追い回していたらもはや意味も分からない。
[赤毛の衛兵]
何の用だい?
グレイ : もう良いだろ
ハイネ : だな、これ以上は聞くことも無さそうだ……。
ハイネが[用はない]を選択しました
ハイネ : 流石に向こうには…行けんよな(と門を見て、そろと近づいてみた)
[大柄な衛兵]
待て、ここに何のようだ!
門に近寄ろうとした貴方に、衛兵の槍が突きつけられた。
ハイネ : と……。
グレイ : そんな大盾持って寄ったらそりゃそうだろ
ハイネ : 剣を抜くよりマシだろうが…まあ、こうなっては仕方ない。ダメもとだ…(と、衛兵に向き直る)
ハイネ : 話が伝わってるかどうかは知らんが、司祭から正式に依頼を受けた冒険者だ、確認してもらってもいい。
ハイネ : 出来れば、領主殿にも話を伺いたいものだが…。
ハイネが[領主に面会したい]を選択しました
[大柄な衛兵]
領主様がお前のような馬の骨にお会いになるか!
さっさと失せろ!
ハイネ : だろうな、邪魔をした。……強行突破などせんから槍は下ろしておいてくれ。
ハイネ : (と、身を引いた)ま、分かってはいたがね。
グレイ : そりゃあな……
グレイ : 強行突破なぞして波風立てるのも面倒だ。他を当たろう
ハイネ : だな、手掛かりは死霊の溜まり場になったというコレム…の村か。
ハイネ : ま、井戸を探すついでにそっちも探すかね…町へ戻ろう。
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
司教に調査の中間報告を求められていたはずだ。
折を見て報告に向かおう。
グレイ : しかし、日が暮れるな。報告に行かないか
ハイネ : 本当だな…冬だともう直ぐにも夜になる…教会へ行くか。
【教会】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


ハイネ : どうも、司教殿。…昼はどうも。
何か尋ねますか?
ハイネが[今日起きた事件について]を選択しました
[司教]
冒険者様が居合わせて下さったおかげで命拾い致しました。
なんとお礼を言って良いやら。
ハイネ : 私達がいたのも偶然だ、気にしないでくれ。
グレイ : そうだな。
[司教]
婦人は暫くの間、教会で保護致します。
また前を向いて歩き出せるよう見守りましょう。
ハイネ : それは良かった。…あそこまでの光景を見せられてはな。
何か尋ねますか?
グレイ : 経過報告なんだが
グレイが[※調査の経過を報告する]を選択しました
(※調査パートを終了し、物語が進行します。)
(※よろしいですか?)
グレイが[はい]を選択しました

分岐
結論を急がない
領主の館に
???

結論を急がない

貴方はこの一日で得られた情報や、それに基づいた所感等を司教に話し始めた。
………………
[司教]
私は当初、過去に流行った流行病の再来ではないかと考えておりましたが……
グレイ : 流行り病ではないだろうよ。
ハイネ : 私も同意だ、少なくとも、過去のものと同じと考えないほうが良い。
グレイが[流行り病などではない]を選択しました
[司教]
では、悪意を持った何者かによる凶行だというのでしょうか……?
グレイ : 僕はバルデラ商会が一枚噛んでると思うがね。
ハイネ : ……何かしらの手が入っているのは間違いないだろうが……。
グレイ : 結論を出すには……少し早いかな。
ハイネ : バルデラ商会の人間がやるにしても人間を風船にすることの利点が分からん……。
グレイが[誰かまでは分からない]を選択しました
[司教]
いえ、いかに冒険者様と言えど一日の調査でそこまでの結論に至るのは難しいことでしょう。
[司教]
おっと、お話している内にもうこんな時間でしたか……
[司教]
なにはともあれ、一日、街中を調査して回られてお疲れでしょう。
宿でお休みになられてください。
ハイネ : ……だな、疲れた足で夜の街を歩き回っても大した情報は得られるまい……。
グレイ : 一度休むかね
[司教]
病にせよ何にせよ、発症する予兆というものを掴めておりません。
明日はその点について、街の人々の様子を見て回って頂けませんか?
グレイ : 予兆ねえ……
ハイネ : せめて共通点でもわかればな。ま、善処するよ。
[司教]
依頼に関しましては、それで一区切りとさせて下さい。
ハイネ : 承知した。
グレイ : はいよ
貴方は司教の申し出を承諾し、宿に引き上げることにした。
貴方の出した結論は、これで正しかったのだろうか?
疑問を覚えたかもしれない。いや、惑いなどなかったかもしれない。
宿の寝台に横たわれば、想いは、まどろみの中に溶けていくだけだった。
この街に着いて三日目。
この日の調査は貴方の苦労の甲斐もなく、徒労に終わった。
街中を巡り手がかりを求めたが、何も収穫を上げることはできなかった。
日も沈み、諦めて教会へ報告に戻ろうと決めた、その時だった……
ハイネ : さっぱりだったな…。
グレイ : チッ……今日も何もわかりやしないな……
ハイネ : 報告して、ここまでかね……。
……街の南西から火の手が上がった。
グレイ : っ、何!?
ハイネ : ……火か!?
間を置かず、大門の方から人が駆けてくる。
[男性]
ば、化け物だ……!逃げろっー!
ハイネ : ……何…!?
グレイ : ハイネ!向かうぞ!
ハイネ : ああ……!
叫ぶ男の後方には……無数の異形が迫っていた。
異形の怪物は手当り次第に住民を襲い、街は一瞬にして地獄と化した。
衛兵や貴方の奮戦も虚しく、街は炎に包まれ……
残ったのは、瓦礫と死体と悲しみだけだった。
グレイ : っ、ダメだ追いつかない……!
ハイネ : 多すぎる……!クソ、自分とお前の防御だけで手一杯とは……!
………………

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領主の館へ

別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
ハイネ : ミオカと会話!
[ミオカ]
なになに、どうかした?
ハイネが[ミオカについて聞く]を選択しました
[ミオカ]
あたし?聞いて面白いようなことないと思うけど……
[ミオカ]
元々は街の近くで、親父と二人、羊を飼って暮らしてたんだけど、モンテマルパとの戦が始まって、親父が兵士に取られちゃって……
[ミオカ]
住んでたところも戦場になっちゃってさ。家を焼かれて……ここに流れ着いたんだ。親父も……もう生きてはいないんだろうなぁ……
ハイネ : そうか。悪いことを聞いたな……。
今、話すべきことはない。
ハイネ : ミオカと会話!
[ミオカ]
なになに、どうかした?
ハイネが[さっきの戦闘について]を選択しました
[ミオカ]
昨晩もだけど、やっぱりみんなはすごいなぁ……!
[ミオカ]
修羅場をくぐって来た場数が違うっていうやつ?
何か特別な訓練とかしてるの?
グレイ : 冒険者なら普通だろこれくらい
ハイネ : ま、こんな盾を振り回してるのはそう見たことは無いが、やってることは大概の冒険者と変わらんよ。
護身のために、戦いの際の身のこなし方をミオカに教えようか。
貴方はふと、そんなことを思ったかもしれない。
グレイ : 知りたいってんなら攻撃の仕方を教えてやらんでもないぞ。どこを狙うかは魔法でも武器でもそう変わらん。
ハイネ : ま、気になるというならどうすれば急所を守れるかくらいなら教えられるかね、盾を持ち上げろとは言わんが。
ハイネ : む、お前……。
グレイ : ……おい、身を守った所で相手を倒せなきゃ意味が無いだろ
ハイネ : 攻撃を繰り出す前に倒れたらそれこそ本末転倒だろうが。
グレイ : こいつ……ッ!
ハイネ : なんだよ……ッ!
グレイのダイスロール : (1d100 高い方が勝ち) -> ([51])=51
ハイネのダイスロール : (1d100) -> ([28])=28
グレイ : 一人でやるんだったら勝てなきゃ意味が無いだろうが
ハイネ : ……確かに私の守りは面子がいること前提ではあるがね……!
グレイ : 他に面子が居る保証の無い相手に教える物じゃあないだろ。
グレイが[攻撃の仕方を教える]を選択しました
[ミオカ]
えっと……こう?こうかな?
ハイネ : この……口ばかり立つ男め……(と、そっぽを向いてしまった)
貴方の申し出に喜んで頷いたミオカは、貴方のアドバイスに合わせて体を動かしている。
グレイ : もう少し上を狙え。下から狙うならその方が良い
[ミオカ]
けっこう難しいね。練習しておくよ!
グレイ : ま、頑張れよ
今、話すべきことはない。
ハイネ : …………そういえば。
グレイ : うん?
ハイネ : スラムの男が甘い匂いが何とか言っていただろう、どうもそんな匂いを最近嗅いだなと思っていたんだが…………。
ハイネ : 酒場の、あの商会の男が入って行った扉、あそこ辺りで匂わなかったか?
グレイ : 僕は例の酒瓶かと思ったが違ったやつか
グレイ : あんな場所じゃ違いもよくわからん……お前がそう言うんなら従ってやるが
ハイネ : ま、違ってたらその時はその時だ…………行くかね。
【酒場】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


情報を求めて、街の酒場にやって来た。
昼間だというのに、既に出来上がってしまっている客が少なからずいるようだ。
店内の様子は至って普通の酒場だ。
良くも悪くも、酔っぱらいの溜まり場である。
[よっぱらい]
ひひっ…!
男は何も言わず、貴方をじろじろと眺め回している。
相当な量の酒を呑んでいるようだ。
机の端には怪しげな包み紙も散らばっている。麻薬の類だろうか。
[店主]
……何か呑むかね?
グレイ : 何か食っても良いんじゃないか。僕は別に食わなくても良いが
ハイネ : ああ、確かに…男二人にお嬢さんを付き合わせてずっと歩いてきたからな……。
ハイネ : 酒は要らん、何か飯をくれ。
ハイネが[ミオカにご飯を食べさせる]を選択しました
貴方はミオカに軽食を振る舞うことにした。
[ミオカ]
えっ!いいの……!?本当に?
食べちゃうよ?返さないよ?
ハイネ : 返されても困るだろうが……。情報料と思っておけ。
グレイ : さっさと食えよ
貴方が食べるよう促すと、ミオカはすさまじい勢いでかきこみ始めた。
[ミオカ]
こんな……(もぐもぐ)、まともな……(むしゃむしゃ)
うぅ……(べそべそ)、美味しい……(ぱくぱく)
ミオカは泣きながら食事を完食した。
グレイ : 泣くなよ……
ハイネ : そこまでか……。
[ミオカ]
ごちそうさまでした…………!
ハイネ : どうも。
[店主]
……何か呑むかね?
ハイネが[酒を注文する]を選択しました
[店主]
ほらよ。
いかにも質の悪い、混ぜ物でもしたかのような味だった。
グレイ : おい……飲めないのに頼むなよ……
ハイネ : 違う……!私は要らんと確かに言った……!
グレイ : 誰が飲むと思って……(不味い!顔を顰めた)
ハイネ : …………お前が酒を飲んでそんな顔をするんだな。
グレイ : 混ぜ物でもしてるんじゃないだろうなこりゃ……酷い味だぞ
ハイネ : 毒見役がいてよかったよ……。
グレイ : ふざけやがって……普通の安酒でももっとマシだぞ……
ハイネ : 扉のほうは……行けなさそうだな。手掛かりになると思ったが。
ハイネ : 戻るか。
グレイ : ああ。
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【スラム】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


物乞いの背中に何か隠れている?
目標値:13 <= 3d+感覚補正+エンパシー
ハイネ : 結局のところここに戻ってくるわけか……。
グレイ:失敗・・(8)([2,2,4])
ハイネ:失敗・・(11)([3,2,3]+3)
ミオカ:成功!(15)([6,5,5]-1)
グレイ : フン
ハイネ : 何、盾で殴るという手もある。
[仔犬]
わふぅ………わんっ!
グレイ : ミオカ?
ハイネ : なんだ……?
ハイネ : 犬?さっきの男の蔭にいたのか。
…仔犬がプルプル震えていた。
[物乞い]
ん、そいつかい?可愛いだろう?
俺のたった一人の家族さ。
グレイ : ああ、さっき話していやがった井戸の……
ハイネ : ああ、そういえばやたら吠えていたといってたな、その子か。
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【南の大通り】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


[花売り]
お花、いかがですか?
[花売り]
私の一番好きな花なんですけど、モンテマルパの人たちが礼拝ときに焚き染めて使うからって、この街では人気がないんです。
2ルド失った。
グレイ : 花ねえ……
ハイネ : なんだ、お前が買う気か?
グレイ : ハイネ、これに覚えは?(甘く香る花を一つ買って寄越した)
ハイネ : ん……(受け取った花を手で仰ぐ……)……これに近くは…あったかもしれないが……。
グレイ : 隣国の礼拝で使う花なんだと。
グレイ : どう思う?
ハイネ : ……生花となると香りが薄い、私の鼻では確信とは……。
ハイネ : ……へえ…ここで隣国の宗教が絡んでくるか……。
ハイネ : ……とかく、私では何とも……専門家に尋ねた方が良くないか?
グレイ : それもそうだな。持って行ってみるかね
ハイネ : ああ、匂いの専門家に会いに行くかね……。
ハイネ : (と、少女に声を掛けて小さな白い花を買った)
ハイネ : 煎じて飲むと美味しいらしいぞ。眠るのにいいらしい。
グレイ : 余計な物買うなよ……
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
【スラム】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


ハイネ : どうも、何度もすまないが……(と、男に声を掛けた)
道端に座り込んだスラムの住人が貴方の身なりを値踏みしていた。
ハイネが[不審者の匂いについて]を選択しました
グレイが[甘く香る花]を入力しました
[物乞い]
あーあー、それそれ。その花の匂いだな。
そうだろ?ポチサブロー。
グレイ : ……
ハイネ : ……ネーミングセンスが独特だな。
[仔犬]
ワンワンワン!
物乞いが彼の背後に呼びかけると、仔犬が出てきて嫌そうに吠え始めた。
ハイネ : なんだ、随分嫌がってるな。
グレイ : 井戸に何か入れようとしてた胡散臭い奴の匂いだからじゃあないのか
ハイネ : それは賢いな……。
物乞いの背中に何か隠れている?
目標値:13 <= 3d+感覚補正+エンパシー
グレイ:失敗・・(4)([1,1,2])
ハイネ:失敗・・(12)([1,6,2]+3)
ミオカ:失敗・・(3)([2,1,1]-1)
グレイ : フン
ハイネ : 何、盾で殴るという手もある。
ハイネに1のダメージ  
[仔犬]
わんわんわんっ!
隠れていた仔犬が飛び出して貴方に甘噛してきた。
グレイ : お、おいハイネ!
ハイネ : うお、なんだ……!遊ばない!そう噛んだって遊ばないからな!
[物乞い]
ん、そいつかい?可愛いだろう?
俺のたった一人の家族さ。
グレイ : 領主の館に押し入ってみるかくらいしかもう思い浮かばんな……
ハイネ : お前がそれを言い出すのはよっぽどだな……。
ハイネ : ま、もう一度行ってみるか……。
別の場所に移動しますか?
ハイネが[はい]を選択しました
グレイ : そうだな
【領主の館】に移動します。よろしいですか?
ハイネが[はい]を選択しました


教会のある広場を抜け、大通りをさらに進むと領主の館の門前に出る。
門の左右を兵が固め、門の奥に見える櫓からは、弓を持った兵がこちらを睨んでいた。
[赤毛の衛兵]
何の用だい?
ハイネが[用はない]を選択しました
[大柄な衛兵]
…あまりこの辺りをうろつくな。
[大柄な衛兵]
何か用ならそっちの赤毛の奴に聞いてくれ。
[大柄な衛兵]
待て、ここに何のようだ!
門に近寄ろうとした貴方に、衛兵の槍が突きつけられた。
ハイネ : さてと……最善手とはもはや言えんが。
グレイ : 取り繕ってすべてを知れるとは思わんさ
ハイネが[※門を強行突破する]を選択しました
(………本気ですか?)
ハイネが[はい]を選択しました
[ミオカ]
ちょっと!みんな!
どうしちゃったのさ!?
何が貴方をそうさせたのか。
貴方は門を守る衛兵二名を叩き伏せ、領主の館に踏み込んだ。
駆けつけてくる衛兵達を相手に大立ち回り演じるも、その血煙の中に貴方の旅は終わりを告げることになる。
あるいは、血路を開き切り抜けたのか……
どのような結末にせよ、もはやこの物語には関わりのないことであろう。
………………

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???

教会のある広場を抜け、大通りをさらに進むと領主の館の門前に出る。
門の左右を兵が固め、門の奥に見える櫓からは、弓を持った兵がこちらを睨んでいた。
グレイ : ……
グレイ : いや、やはりやめよう。よその国で法に背くような真似をするのは足元を自ら突き崩すようなものだしな
ハイネ : ああ、良かった……お前が本気で言ってたら驚きだったところだ……。
グレイ : 妙な酒で酔っていたとでも思ってくれ……酷い味だったんだ……
ハイネ : そんなにかよ……。少しは何とかなるかと思ったが、やはり向こうは行けんな……(と、また赤毛の衛兵に話しかけに行った)
ハイネ : 駄目だな、今日の事件すら知らんらしい。
グレイ : 何か聞けたか……(疲れた顔)
グレイ : そうかよ……
ハイネ : ハア、とにかく戻るかね……。
グレイ : はいよ……
別の場所に移動しますか?
【教会】に移動します。よろしいですか?
ハイネ : 戻って来たらもう夜か……不味いな。
グレイ : 商会は隣国の連中とつながって居やがるのかもしれんな。例の花の件もある……
ハイネ : ……ややこしい話だ。とにかく報告にはいかないと不味い、行くぞ。
グレイ : ああ。
ハイネが[はい]を選択しました


何か尋ねますか?
ハイネが[※調査の経過を報告する]を選択しました
(※調査パートを終了し、物語が進行します。)
(※よろしいですか?)
ハイネが[はい]を選択しました
貴方はこの一日で得られた情報や、それに基づいた所感等を司教に話し始めた。
………………
[司教]
私は当初、過去に流行った流行病の再来ではないかと考えておりましたが……
グレイ : 違うな。
ハイネ : ただの流行り病と片づけるには無理があるだろう。
ハイネが[流行り病などではない]を選択しました
[司教]
では、悪意を持った何者かによる凶行だというのでしょうか……?
グレイ : 隣国の連中、その辺りとつながりがあると踏んでいるがね
グレイが[モンテマルパの人間]を選択しました
[司教]
彼らの信奉する神……、私の立場から申し上げれば邪神でありますが……
[司教]
彼らの聖地、祭殿もこの戦乱に巻き込まれ、多くの信者や神官の生命が奪われたと伝え聞いております。
ハイネ : ……。
グレイ : 念入りに焼き払われたとの事だったな
[司教]
復讐を考える者がいたとしても、何ら不思議ではないでしょう…
[司教]
ただ、異教徒とは言えど、あまり疑いを掛けたくない相手でもあります。
何か証拠のような物はあるのでしょうか……?
グレイが[甘く香る花]を入力しました
[司教]
その花は……彼らが祭祀に用いるものでしょうか?
グレイ : そうだ。この花の匂いをさせた奴が……
ハイネ : あまり使わない花なんだろう?その匂いがありこちでするのはおかしいと思うのだが……。
[司教]
なるほど。この街では、その花はモンテマルパの象徴として蛇蝎のごとく嫌われております。
[司教]
立場上、嫌な言葉を使いますが……
その花の香りをまとった人物というのは……モンテマルパの邪教徒に違いないでしょう。

ハイネ : ……焼き払われた隣国の人間が井戸に近づく……ま、やることは一つかね。
[司教]
おっと、お話している内にもうこんな時間でしたか……
グレイ : 随分話し込んでしまったしな。
[司教]
なにはともあれ、一日、街中を調査して回られてお疲れでしょう。
宿でお休みになられてください。
[司教]
病にせよ何にせよ、発症する予兆というものを掴めておりません。
明日はその点について、街の人々の様子を見て回って頂けませんか?
ハイネ : 承知した……。
[司教]
依頼に関しましては、それで一区切りとさせて下さい。
グレイ : はいよ
貴方は司教の申し出を承諾し、宿に引き上げることにした。
その日、貴方は夢を見た。
あの花の香りを身にまとった誰かが、貴方の背後から歩み寄ってくる。
だが貴方は振り向くことができない。
得体のしれない焦燥が広がっていく。
だが、それもいつしか、まどろみの中に溶けていく……


三日目の朝。
ハイネ は全回復しました。
ミオカ は全回復しました。
グレイ は全回復しました。
疲れが溜まっていたのだろうか、目が覚めればもう正午近くという時間だった。
ハイネ : お前……起こせよな……。
グレイ : うるさい……僕も寝ていたんだ……
[ミオカ]
おはよう、みんな!今日はのんびりだったね。
ハイネ : おはよう……元気だなお嬢さん。
グレイ : 酷い夢で……、……いや、それは関係が無いか。おはよう。
ハイネ : 夢……?ん……。
宿の入口で待っていたミオカが明るく声をかけてきた。
[ミオカ]
今日は珍しく、朝からスラムで炊き出しがあったんだ。
領主様もたまには良いことするね。お腹いっぱいだよ。
ハイネ : ……熱でもあったんじゃないか。
グレイ : 酒の混ぜ物にでも当たったかね……(額を軽く抑えた)
[ミオカ]
……と、そうじゃなかった。
その炊き出しが終わる頃に、例の花の匂いをさせてる奴とすれ違ったんだよ!
ハイネ : 何?
グレイ : なんだと
[ミオカ]
きっとそいつが事件に絡んでるだと思って、後をつけて……
街外れの荒屋に入ってくのを見たんだ!
早く行ってとっちめようよ!みんな!
ハイネ : 危なっかしいことをするな……ま、お手柄だ、ご先輩。
グレイ : 結論を急ぐな、いや、しかし見には行くべきだな……
急かすミオカに引っ張られるように、貴方は街外れに向かうことになった。


[ミオカ]
みんな、あの家だよ。
東門を出て歩くこと十数分、ミオカは生け垣に身を隠しながら一軒の家屋を指差した。
ハイネ : ふむ……。
この地方でよく見られる様式の小さな平屋だった。
庭は荒れ、窓には板が打ち付けられており、一見して廃屋のようである。
グレイ : 廃屋のように見えるが……
[ミオカ]
どうする?踏み込んじゃう?
ハイネ : 結論が早すぎるだろ…グレイ、何か分かるか?
グレイ : まずは様子を見るべきだと僕は思うよ
グレイが[家屋の様子を観察する]を選択しました
身を隠しながら家屋の周囲を巡り、不審な点がないか観察した。
窓や勝手口には板で塞がれており、出入りできるのは正面の扉だけのようだ。
何年も放置されているような荒れ具合だが、正面の扉の前には人が行き来した跡が見て取れる。
ハイネ : どうだ、窓や裏の方は全部板が打ち付けられていたが。
グレイ : 扉の方……こっちは人の行き来がある。
ハイネ : へえ……ご先輩の見間違いだとかではないわけだ。
家屋の中から物音などは聞こえず、人の気配は感じ取れない。
グレイ : 普通は埃なんぞで汚れていくものだが、ここはそうじゃない。定期的に誰かが動かして触ってる証拠だ
ハイネ : なるほどな…今はどうだ?お前の耳なら物音だとかは聞こえないものか。
グレイ : ……何も聞こえん。
ハイネ : ……お前でそうなら私が耳を近づけたとこでどうにもならんな。
[ミオカ]
どうする?踏み込んじゃう?
グレイ : 扉に罠なんぞ無いか見た方が良い。
ハイネ : ああ………ちょっと代われ、私が調べる。
ハイネ : もし何かしらがあったとて、私なら吹き飛ばされる程度耐えられるしな。
グレイ : はいよ
ハイネが[近づいて扉を調べる]を選択しました
粗末な引き戸に、鍵のような物は見当たらない。
屋内から微かに甘い匂いが漂ってくる。

目標値:10 <= 3d+器用補正+トラップマスタリー
グレイ:成功!(16)([4,3,4]+5)
ハイネ:成功!(14)([5,1,2,6])
ミオカ:成功!(12)([1,3,6]+2)
グレイ : 造作も無い
ハイネ : 中々のものだろ?
貴方は扉を調べ毒針の罠を見つけた。
……だが、仕掛けは解除され、この罠は機能していないように見える。
ハイネ : ん……グレイ!
グレイ : おい、そりゃ毒針の
グレイ : ……いや、もう動いちゃいないな。針の飛び出す発条がいかれてやがる
ハイネ : やっぱり罠の類か…と、なんだもう駄目になっているのか。
小さな家だ。扉を開けば否が応でも侵入に気づかれるだろう。
[ミオカ]
どうする?踏み込んじゃう?
ハイネ : 罠に気を取られていたが…ここからも花の匂いがする。ま、何も関係がない、ということは無さそうだ。
グレイ : 音はしない。踏み込んでもいいと思うぞ
ハイネ : ああ。…私の後ろから出るなよ。
ハイネが[準備を整える]を選択しました
[ミオカ]
分かった。準備ができたら声をかけてね。
[ミオカ]
どうする?踏み込んじゃう?
ハイネが[扉から踏み込む]を選択しました


貴方は意を決し、扉を打ち開き屋内に踏み込んだ。
ハイネ : (盾を構えたまま、思い切り粗末な扉を蹴りつける!)
グレイ : (杖を構え後ろに続く)
窓を塞がれた屋内は暗く、特徴的な甘い匂いが淀んでいた。
グレイ : っ……(思わず口元を覆った)
ハイネ : ……匂いが濃いな…扉越しに香るのだから当然か…。
目を凝らし素早く周りを見渡すも……そこに人影はない。
かまどには鍋が掛かっており、何かを煮た形跡がある。
何か違和感が……?

目標値:10 <= 3d+知力補正+マジックマスタリー
達成値:26([1,2,5]+18)
判定に成功しました
グレイ : 造作も無い
貴方は微かだが、鍋に残留する魔力に気づいた。
忌々しいドロドロとした意志がへばりついているかのようだ。
ハイネ : 人影は無さそうだが、用心しろよ。罠のかかったドアで歓迎してくれる家だ。
グレイ : このかまどの鍋……この前拾った酒瓶と似た魔力を感じる……
ハイネ : 何?
グレイ : 何を煮たのかまではわからんがね……
ハイネ : これか……お前で分からないなら私じゃもっとお手上げだ。
空の酒瓶が数本転がっている。
埃は被っておらず、最近そこに置かれたのだと分かる。
元々の住人の書架なのであろう。
当たり障りのない本が埃を被っている。
ハイネ : (と、言いながら部屋の中心へ一歩踏み込む……)
グレイ : 本は……普通のものだな。僕でも見たことのあるものばかりで……
ハイネ : グレイ!ちょっと来い!
グレイ : な、なんだ
床に魔法陣のような図形が描かれている。
火の消えた蝋燭に囲まれ、中央には見覚えのある花が供えられていた。
グレイ : ……花……?
ハイネ : 魔法陣に蝋燭、それに供え物…どう思う?
グレイ : 何かしらの儀式、例の邪教のものではないかと思うが……
家屋の痛み具合に反し、最近まで使われていたような形跡がある。
グレイ : ……教団の儀式か何かだと、僕は専門外だ。魔術の類でも土地によっていろいろ変わる。
ハイネ : しかもわざわざ部屋のど真ん中だ…さすがに私でも何かしらの意味合いを持ってることくらいわかる…。
グレイ : 何かあったに違いない、それも隣国絡みでな
ハイネ : だな。ま……それだけお前の口から聞けただけでも情報だ…。
グレイ : 出るぞ。使われていた痕跡のある場に長くとどまるのは得策じゃあない
ハイネ : 気分が悪いなら先に出ていていいぞ(寝台の布を摘み上げて落とす…ほとんど埃は立たない…)
ハイネ : ん……なんだ?手紙?
ハイネ : (机に近づき、手紙らしきそれを拾い上げた)
グレイ : ああ……わかった…、先に出ている……
机の上には得体のしれない薬品が散乱している。
………片隅に一通の手紙を見つけた。
宛名も、差出人の名もない、その手紙を手に取った。
報いを与えよ。

痛みを、苦悩を、そして死を。

神域を侵せし者共に相応しき末路を。
たった三行の文面から、目眩のするような悪意が放たれている。
ハイネ : …………。
ハイネ : (薬品瓶の間に手紙を投げ捨てた)
街に戻りますか?
ハイネが[はい]を選択しました


[ミオカ]
誰もいなかったね……
みんなを呼びに行ってる間に、入れ違いになったのかな?
ハイネ : 大丈夫かグレイ?
グレイ : 問題ない……、
ハイネ : そうか。………もう少し部屋を調べたがな、ご先輩の言う通り入れ違いになった可能性は高そうだ。
ハイネ : あんなに荒れていた部屋だというのに、空き瓶には埃は無く、寝台の毛布にすら埃が無かった。最近まで使っている奴がいたな。
グレイ : それは見た……、
ハイネ : そうか、あとは……机にはもはや私ではさっぱり分からん薬品と…手紙のようなものがあってな。
グレイ : 手紙……?
ハイネ : 開いても宛先も当て名も無かったが…文面はこうだ。
ハイネ : 『報いを与えよ。痛みを、苦悩を、そして死を。』
ハイネ : ……余程の恨みつらみが籠った字だったな。見なくて正解だ。
グレイ : それは……、ぐ、(少し咳込んだ、薬瓶を1本飲み干した)
ハイネ : 平気か。
グレイ : 問題ないと言っただろ。平気だ。
ハイネ : ハ、平気じゃなくてもお前そう言うだろうが…ま、もう相当な時間だ…次の動きをするにしても早く…。
これ以上の収穫はないと判断し、一旦、街へ戻ることにした。
調査を終えて街の中心部に戻る頃には、空は赤く夕日に染まっていた。
……いや、違う。
空が赤く染まっているのは夕日だけのせいではない。
グレイ : 空が……妙に赤い、
ハイネ : ただの夕焼けだろ、何が……いや、これは……!?
街の南西の方角に火の手が上がっている。
グレイ : 火か……ッ!
[ミオカ]
火事……!?
あっちはスラムの方だ!
ハイネ : 不味いぞ、あそこで一度火が広がれば手が付けられん!
グレイ : 走れ!
火の手に気づいたミオカは色を失い、スラムへと駆け出した。
ハイネ : ああ……!と、ミオカ!
貴方もミオカを追ってスラムへと走り出す。
言いようのない不吉な予感が胸中に渦巻いていた……

南門を抜けると、そこは地獄と化していた。
グレイ : っ
ハイネ : クソッ……!ミオカ!!
炎が粗末な家々を飲み込み、その炎の影には異形の姿がうごめいてた。
グレイ : 何だ、こいつらは……!
[ミオカ]
何だよこれ、どうしちゃったんだよ!?
みんな……、スラムのみんなは……!?
ハイネ : 早く退け!!とっくにそいつらはお前に気づいている!
ミオカは狼狽し、仲間の名を呼ぶが応える者はいない。
彼女の暮らしていたスラムは、もうそこにはなかった。
異形の怪物の手にかかったのであろう、住民や衛兵の死体が無残な姿をさらしている。
[スリ仲間]
おい、ミオカ!こっちだ。
その時、崩れた家屋の合間からミオカを呼ぶ声があった。
[ミオカ]
良かった!お前は無事だったんだな!
何があったんだよ!?

ハイネ : あれは、初日の…。
[スリ仲間]
俺にだって訳が分からねぇよ!
みんな、いきなり苦しみ出したかと思ったら、あんな化け物になっちまった。
グレイ : みんな……?そりゃ一体……
ハイネ : ……例の事件の変化が、一気に広がっただと…!?
[スリ仲間]
いや………きっと朝の炊き出しの飯だ。
思えば、喜んで粥を啜ってた連中から苦しみ出したんだ。
ハイネ : ……!!待て、それは…!
グレイ : ……、
[スリ仲間]
俺やおっちゃんは領主のクソの施しなんか……腹が立って食わなかったから……
グレイ : ミオカ…………、
少年はそう言って、怪物に惨殺されたであろう死体を指差した。
確かに、その死体は人間の姿かたちを留めている。
[スリ仲間]
ちくしょう……どこまでも俺たちを馬鹿にしやがる……!
[ミオカ]
炊き出しが……?
ど、どうしよう!?みんな、あたし……あたしも食べちゃった……!

ハイネ : 落ち着け…!!全員が全員なってるならお前だけタイミングがずれている意味も分からん…!まだ…!!
グレイ : ……ハイネ。
怒り、悲しみ、困惑、ミオカの表情は混沌とした感情を貴方に訴えていた。
[スリ仲間]
ミオカ!危ねぇ!化け物が来るぞ!
グレイ : チッ、とりあえずは目前に構えろ!
ハイネ : クソッ……!!
ゆらめく炎の影から、異形の姿が貴方に迫ってくる……!
Round 1
ミオカは移動した。
ミオカは[9,4]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[7,8]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[4,2]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[9,3]へ移動した。
グレイは移動した。
グレイは[9,3]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[4,7]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[8,4]へ移動した。
グレイの『レルアバドの赫』は距離が合わず失敗した。
Round 2
ハイネ : 右手のはお前が潰しきれ!私の立つ場所が防衛線だ!
ミオカは移動した。
ミオカは[8,5]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[8,7]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[5,2]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[5,6]へ移動した。
ハイネは移動した。
ハイネは[7,5]へ移動した。
グレイは移動した。
グレイは[7,3]へ移動した。
グレイ : リンギンベル!仕事だ 『レルアバドの赫』!
グレイは杖を地に突き立てた 達成値:17 ([4,3,2]+8)
異形の怪物に31のダメージ  ([2,5,3,6]+15)
異形の怪物は[重傷]になった
Round 3
グレイ : 言われずともだ!
ミオカは待機した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[6,2]へ移動した。
ハイネは待機した。
グレイは移動した。
グレイは[8,4]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[6,5]へ移動した。
異形の怪物は移動した。
異形の怪物は[8,6]へ移動した。
ミオカ : クイックトリック!
ミオカは素早い攻撃を行った! 達成値:10 ([1,4,2]+3)
異形の怪物に4のダメージ  ([1,1]+2)
異形の怪物の粘液は距離が合わず失敗した。
グレイ : 『ラアナの白灰』!
グレイは杖を振り翳した 達成値:22 ([3,6,5]+8)
異形の怪物に25のダメージ  ([6]+19)
異形の怪物は[気絶]になった
異形の怪物は攻撃した。 達成値:9 ([1,1,4]+3)
ハイネは防御した。
ダメージを12軽減!  ([]+16)/2+([]+4)
ハイネに0のダメージ  ([1,4]+5)
異形の怪物は攻撃した。 達成値:19 ([5,6,5]+3)
ハイネ : ミオカ!私の羽の元へ来い! ヴァイサーシュッツ!
白き翼が戦場に翻る!
対象を ハイネ に変更した。
ダメージを12軽減!  ([]+16)/2+([]+4)
ハイネに0のダメージ  ([6,2]+5)
ミオカ : クイックトリック!
ミオカは素早い攻撃を行った! 達成値:13 ([1,5,4]+3)
異形の怪物に11のダメージ  ([4,5]+2)
Round 4
ミオカ : クイックトリック!
ミオカは素早い攻撃を行った! 達成値:9 ([1,3,2]+3)
異形の怪物に5のダメージ  ([1,2]+2)
異形の怪物は攻撃した。 達成値:12 ([4,1,4]+3)
ハイネは防御した。
ダメージを12軽減!  ([]+16)/2+([]+4)
ハイネに0のダメージ  ([5,5]+5)
ハイネ : シルトシュラーク!
巨大な盾を敵に向かって振り下ろす! 達成値:14 ([5,2,4]+3)
異形の怪物に23のダメージ  ([4,2,1,3]+13)
グレイ : 『レルアバドの赫』!
グレイは杖を地に突き立てた([4,4,4]+8)
グレイのクリティカル!
異形の怪物に39のダメージ  ([6,6,6,6]+15)
異形の怪物は[重傷]になった
異形の怪物は[気絶]になった
異形の怪物は攻撃した。 達成値:12 ([2,1,6]+3)
ハイネに0のダメージ  ([6,3]+5)
ミオカ : クイックトリック!
ミオカは素早い攻撃を行った! 達成値:11 ([4,3,1]+3)
異形の怪物に9のダメージ  ([3,4]+2)
Round 5
異形の怪物 : 呪怨!
ハイネは防御した。([4,4,4]+3)
ハイネのクリティカル!
ダメージをすべて軽減!
ハイネに0のダメージ  ([4]+5)
ハイネ : 終わらせるぞ…! シルトシュラーク!
巨大な盾を敵に向かって振り下ろす! 達成値:16 ([3,6,4]+3)
異形の怪物に23のダメージ  ([4,2,1,3]+13)
異形の怪物は[重傷]になった
異形の怪物は[気絶]になった
燃え盛る炎の中、悪夢のような攻防が続いた。
貴方の攻撃は異形を確実に捉え、その数を減らしていく。

グレイ : チッ……性悪が……こんな時に調子出しやがって
ハイネ : …とりあえず向かってくるのは潰したが…!
[ミオカ]
なんだっていうのさ……こんな……こんなことって!
ミオカの涙で濡れた顔を炎が赤く染め上げていた。
……炎が唸る音に混じり、口論するような怒鳴り声が聞こえた。
グレイ : 何か聞こえるぞ
ハイネ : 何……?
グレイ : 向こうだ


[商会の男]
これでは話が違うぞ!
[商会の男]
流行り病に見せかけて始末するのではなかったのか!?
こんな化け物になるなどとは聞いていない!
ハイネ : あれは…!
グレイ : あいつ……ッ!
[邪教徒]
ふん、アホめ。
都合よく利用されていたことが、まだ分からんか。
[邪教徒]
領主も貴様も!この街の人間はすべて!
報いを受ける時が来たのだ!
ハイネ : 商会と……あの装いはこっちのものではないな、隣国の教徒はあれか……!
グレイ : 恐らくは……ッ!
[邪教徒]
欲望に囚われ神威を穢し、我が同胞を虐殺した報いをな…!
[商会の男]
ほざけ!
邪教徒に60のダメージ  
邪教徒は[重傷]になった
邪教徒は[気絶]になった
邪教徒は[昏睡]になった
男は長剣の鞘を抜き払うと、一閃、邪教徒の胸を刺し貫いた。
ハイネ : ……!
[邪教徒]
はははは……もう遅い。我が復讐は成ったのだ………!

[邪教徒]
この地は我が神の怒りにより呪われたのだ。
死と、苦痛と、懊悩が貴様らを焼き尽くすだろう……!

高笑いを続ける邪教徒は、胸の長剣を引き抜かれると、悦楽に歪んだ表情のまま吐血し……息絶えた。
[ミオカ]
お前……お前が………!
ハイネ : クソ、グレイの予想がその通りか…………ッ、おい!
グレイ : そのようだ……
貴方が止める間もなく、ミオカは走り出し……男の顔面を殴りつけた。
グレイ : (その様を見送った)
[商会の男]
ぐっ……ガキが!生きてやがったか!
化け物になって死んでりゃ、可愛げがあるのによ!
[商会の男]
おっと!動くなよ、冒険者さんよ!
ハイネ : このッ……貴様のような人間は皆同じような台詞が好きだな…ッ!
グレイ : 今は従っておけ……!
男は殴りかかってくるミオカをいなすと、後ろ手を取り、首に長剣を突きつけた。
ハイネ : クソッ……!!
[ミオカ]
ちくしょう……!あたしはこんなクズにも……!
ミオカは怒りと悔しさに歯を食いしばって泣いていた。
[ミオカ]
みんな!構わずにこいつを……!?
………その時、ミオカの体が……体の中で大蛇がうねるように歪んだ。
グレイ : ッ、
ハイネ : ッ、ミオカ…!!
[ミオカ]
あっ……う……えぐっ……!
グレイ : やはり……か
ミオカの体が他の犠牲者たちのように……歪に膨れ上がっていく。
ハイネ : …………クソ、…ッ…
[ミオカ]
みんな……、みんな……!
ああぁぁぁ……!
[商会の男]
こいつ……!
目の前で起きた、突然の変異に男の体が硬直する。
膨れ上がったミオカの体が、男を飲み込み押し潰し始めた……!
[商会の男]
がっ……!止めろ!クソが……!あがががが……げぶぇ。
逃げ遅れた男の体が音を立てて潰れていく……
グレイ : …………(顔を顰めた)
ハイネ : ……因果応報、か…。
そして、馬鹿げたほど呆気なく……その生命は押し潰れた。
商会の男に44のダメージ  
商会の男は[重傷]になった
商会の男は[気絶]になった
商会の男は[昏睡]になった
この悪夢の元凶たる二人の男は息絶え、貴方とミオカ……だったものが残された。
グレイ : ハイネ、
炎が猛る音だけが、その場を支配していた。
ハイネ : ……まだ治療できる、なんて、夢物語を語る気はない。
グレイ : ケッ、わかってんのかよ。なら話が早い。
ハイネ : もう、夢見る少年の年でもないのでな。
ハイネ : 私に出来るのは、魂の安らかな眠りを手助けするだけだ。(剣を抜いた)
グレイ : お互い歳を取ったことだな……、フン、さっさと始末するぞ
ミオカの体は醜く膨張し続けていた。
もう、あの少女の面影はどこにも見当たらない。
[ミオカ]
みんな……、ごめ、ん。
ハイネ : ……。
ハイネ : 案内をありがとう、ご先輩。
ハイネ : おやすみだ。
必死に声を絞り出し、貴方に最後の懇願をしてくる。
[ミオカ]
………楽に…お願、い。
ハイネが[楽にしてやる]を選択しました
[ミオカ]
みんな……、あたしも……みんなみたいに……


[司教]
この度は誠にありがとうございました。
グレイ : ケッ、そうかよ。
ハイネ : どうも。……収束に向かって何よりだ。
[司教]
ひどく……悲しい結末となってしまいましたが、冒険者様がいなければ、私の生命も……街の人々の生命も失われていたことでしょう。
残った異形達は貴方と衛兵達の尽力により駆逐され、火災も翌日には消し止めることができていた。
[司教]
領主様には戦を止めるよう、私からもう一度陳情致します。
これ以上、人の生命が失われて良い訳がないのです……
ハイネ : そうか。……苦労するとは思うがな。
グレイ : ハ、そうかよ。……完璧にとはいかず悪かったさ。
[司教]
罪と悲しみに向き合い、過ちを繰り返さぬことを誓いましょう。
司教は手を握りしめ、貴方に深く頭を下げた。
グレイ : フン……口では何とでも言える
ハイネ : この街に平穏が訪れること、祈っているさ。それしか私達にはもう出来ないがな。
[司教]
南門の外に馬車を待たせております。
リーンまでの帰路、どうかお気をつけて……
ハイネ : どうも。……世話になった。
グレイ : はいはい……
この街で起きた事件はこれで終幕となる。


ハイネ : ……(馬車に乗る直前、少し萎れた小さな白い花を取り出した)
グレイ : ハイネ?遅れるぞ
ハイネ : ああ、すぐに行くさ、グレイ。
ハイネ : ……宗教も国の形も、犠牲になるのも……どこも同じか(花を風にばら撒いた)
グレイ : ……遅い!(少し遠くから怒鳴った)
ハイネ : ……悪かったよ!
ハイネ : (男の怒鳴り声の方へ駆けていく)
貴方は司教に別れを告げ、南門へ向け歩き始めた。
馬車の待つ南門の外へ足を進めようとしたその時……
雑踏の陰から出てきた通行人とぶつかってしまった。
グレイ : おい、何してやがる……!遅れるぞ!
ハイネ : お前が急かすから……すまない!
[小柄な人影]
どこ見てやがる!気をつけろよな!
ハイネ : 怪我は……。
その人物は悪態をつきながら通り過ぎて行く。
何かがおかしい。軽くなったような……

……財布がない!スられてしまったのか!?
グレイ : 財布をスられてはいないか?
[小柄な人影]
おっと、気づかれたか!?
ハイネ : ……そんなわけ…………。
ハイネ : ッ、クソ!!!グレイ、追え!!!
グレイ : ……馬鹿が!遅れると言っているだろ……!!
貴方がはっと振り向くと、その人物は慌てて駆け出していく。
小路の影へ走り去る直前にスリが振り向き、一瞬、その顔がはっきりと見えた。
………………
グレイ : あっ、クソ……!早い……ッ!
当然、その顔は………あの少女のものではない。
グレイ : ……
ハイネ : …………。
グレイ : ハ…………そりゃあ……そんなわけは無いよな
ハイネ : ……夢物語を見るような、年じゃないだろ、お互いに。
グレイ : ケッ、そんな風に見えてんならそっちの眼がついてんのか疑うところだな
グレイ : 行くぞハイネ。本当に遅れる
ハイネ : ……ああ。
貴方は……走り去って行くスリの後ろ姿を見つめていた。
…………その背中に、あの少女の面影を探して。
「遠い面影」 Normal End

Thank you for playing.
グレイ : 簡単な依頼だったかな
ハイネ : お疲れ、よくやったな。

Quest Link

遠い面影
Master/h1az