「刺青」

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あなたが掲示板で依頼を見ている頃。 町はずれの小屋、その暗闇の内に、 一人の女と、一人の男が居た。 女は息を荒げ、 男は一心に手指を動かしている。 淫らな行為ではない。 けれどもそれは、きっと『ソレ』よりも深く、 心の底に眠る、女の欲望をその肌に描き出す。 男は、刺青師であった。 男の声 「ああ、もう今から、お前に勝る女はこの世にはいない。  あらゆる男は、お前の肥やしになるのさ。」 女は暗闇に妖艶な笑みを浮かべて、 ふらり外へと歩き出す。 遠く月夜に悲鳴が響くのに、そう時間はいらなかった。 ここは冒険者達の宿、羊のしっぽ。 あなたは一人でも出来そうな 依頼を探して、掲示板を見ていた。 アルマ 「一人でも出来そうな依頼っていうのは  結構珍しいんですよねぇ。」 グレイ : そうか。いや、悪いね。人と行く気分じゃあなくてな。 アルマにも頼んでペラペラと依頼書を捲って貰っているが……。 生憎と、あまり良さそうな依頼は見つからないようだった。 自警団員 「手があいている冒険者を1名お借りしたい。」 慌てて駆け込んできた彼は、 入ってくるなりアルマにそう詰め寄った。 アルマ 「いきなり何事ですか。」 グレイ : 緊急か…… アルマが困惑してそう返すと、 自警団員は「失礼」と咳払いをひとつ。 自警団員 「魔物が出たのだ。街に。」 あなたは確かに依頼を探していた。 けれども、自警団が冒険者に助けを求める、 その状況は、間違いなくただ事ではない。 首を突っ込むかどうかは、 ゆっくりと考えてからでもいいだろう。 あなたは自警団に近づくと、 自分が引き受ける旨を伝える。 自警団 「ふむ、貴公が……。」 グレイ : 僕が受けるよ。ちょうど探していてね 自警団 「藪から棒にすまないが……。  貴公の…その…恋愛対象は?  他言はせぬ故……。」 グレイ : ハ? グレイ : ………… グレイ : ハ??? グレイ : 煩いのが居るんでね。どちらでもないよ 自警団 「ふむ、そういった者もおろうな。  しかし、今回は心強い。」 自警団 「ああ、すまないな、  事情を説明しなければ  意味が分からないだろう。」 自警団 「その妖魔というのがな。  いわゆる夢魔の類なのだ。」 グレイ : ハァ…… 自警団 「……いや、夢魔と評するにはあまりにも恐ろしい。  しかし、冒険者に分かりやすく表現するのならそうなるだろう。」 夢魔というのは、いわゆるサキュバスの事だ。 主に男性を誘惑し、精気を奪い取る。 魅了の魔法は自身を好む者には特に効果を発揮する。 恋愛対象が女であると苦戦する、というのはそういう事だろう。 自警団 「……その女は、元はといえば普通の人間であった。  むしろ臆病であったくらいそうだ。」 自警団 「しかしある日、町はずれの刺青屋で刺青を入れた途端、  男を襲い、殺して回るようになったという。」 自警団 「その背の刺青と合わさった美しさたるや、一目見れば  その女に殺されても構わぬと思ってしまうほどで………。」 グレイ : ふむ…… 自警団 「………こ、こほん。」 自警団 「とどのつまり、冒険者殿にはこれを捕らえて頂きたいのだ。」 自警団 「自警団の者は、街を守るというのが仕事。」 自警団 「街によく出没する類の魔物には遅れは取らんが、  この手の珍しい魔物には歯が立たぬ。」 自警団 「冒険者ならば、対策の一つも取れよう。」 グレイ : まあ、対策が無いでもない。良いよ。 自警団 「引き受けてくれるか!」 自警団 「そやつはいつでも夜に現れる。  夜までに準備を整えてくれ。」 夜か、とあなたは考える。 刺青屋に話を聞きに行ってもいいし、 ハンスに夢魔の対策について相談してもいいだろう。 もちろん、特に気にせず休んでもいい。 さて、どうするか、と、 あなたは自警団の背を見送った。 広場へ向かいますか? グレイ : 一応は情報を集めておくか。対策も要る事だしな 冒険者 「ん、よぉ、なんか依頼でも受けてんの?」 グレイ : ああ、実は 冒険者 「へぇ、夢魔ねぇ……。」 冒険者 「ふんふん、なるほどなぁ  ………ええと、確か、このへんに」 冒険者 「はい、これ」 冒険者 「………いや、すげぇ美人なんだろ?  一目見てみたいじゃん、頼むよ!!!」 グレイ : ふざけるなよ 冒険者 「ああ!!!!!  ブロークンマイハート!!!!!!!!!!!」 ハンス 「よう兄弟!  今日は何の用だ?」 グレイ : 実はな…… ハンス 「なるほど、街に出る夢魔をねぇ……。」 ハンス 「そうさなぁ、ちいと待っててくれや。」 ハンス「ええと確かこのへんに」 ハンス「いやこいつじゃねぇ」 ハンス「ああ、あった、こいつだこいつ。」 ハンス 「こいつはどうだ!」 出て来たのは際どい下着だった。 グレイ : ………… グレイ : ハ? ハンス 「こいつは淫魔の下着。  淫魔のやつらに味方だと間違わせて  魅了させないって一品よォ!!」 グレイ : …… グレイ : ハァ??? ハンス 「羽付き尻尾付きで効果はてきめんだぜ、がっはっは!!」 ハンス 「だよなぁ……。」 グレイ : 僕は男だぞ。見てわからないほど耄碌したわけじゃないだろ ハンス 「そいつはずっと売れ残ってたんだが  夢魔対策装備なんざ普段は仕入れねぇからよ。」 ハンス 「役に立てなくて悪ぃが、なんとか頑張れや。」 グレイ : フン、じゃあな 広場へ戻りますか? グレイ : 夜まで待つかな…… 魔物が現れるという夜まで休もうか? 夜道を歩いていると、街道のど真ん中に女の姿が見える。 刺青を背に、数少ないまちあかりの中、 ゆっくりと彼女は振り返る。 女は嗤う。 ゆらあり、ゆらあり、とあなたへ歩み寄って来る。 ……確かに、美しい。 けれどそれだけだ。 あなたは無遠慮に武器を構える。 グレイ : (杖を持ち直し、構えた) アクティブシーンになりました。 Round 1 刺青の女は移動した。 刺青の女は[4,5]へ移動した。 グレイは待機した。 グレイ : リンギンベル、仕事だぞ! 『レルアバドの赫』! グレイは杖を地に突き立てた 達成値:12 ([2,3,4]+3) 刺青の女 : 散花! 刺青の女は軽やかに攻撃を避ける。 刺青の女は回避した。 達成値:13 ([1,4,6,4]-2) Round 2 グレイは移動した。 グレイは[8,6]へ移動した。 刺青の女は移動した。 刺青の女は[6,5]へ移動した。 グレイ : ウィザーバウ、走れ! 『カーテルの琥珀』! グレイは杖を掲げた 達成値:17 ([4,5,5]+3) 刺青の女は[烈風]になった 刺青の女の斬りつけるは距離が合わず失敗した。 刺青の女に7のダメージ  (([2]+13))/2 Round 3 刺青の女は移動した。 刺青の女は[7,5]へ移動した。 グレイは移動した。 グレイは[10,4]へ移動した。 刺青の女の斬りつけるは距離が合わず失敗した。 グレイ : 『レルアバドの赫』! グレイは杖を地に突き立てた 達成値:8 ([3,1,1]+3) 刺青の女 : 散花! 刺青の女は軽やかに攻撃を避ける。([2,2,2,5]-2) 刺青の女のファンブル! 刺青の女は回避に失敗した。 刺青の女に26のダメージ  ([5,3,1,5]+13) 刺青の女に8のダメージ  (([5]+13))/2 Round 4 刺青の女は移動した。 刺青の女は[9,5]へ移動した。 グレイは移動した。 グレイは[11,6]へ移動した。 刺青の女の斬りつけるは距離が合わず失敗した。 グレイ : 『レルアバドの赫』! グレイは杖を地に突き立てた([6,6,6]+3) グレイのクリティカル! 刺青の女 : 散花! 刺青の女は軽やかに攻撃を避ける。 刺青の女は回避に失敗した。 達成値:13 ([4,3,6,2]-2) 刺青の女に37のダメージ  ([6,6,6,6]+13) 刺青の女は[重傷]になった 刺青の女は[気絶]になった アクティブシーンが終了しました。 女を気絶させたあなたは、武器をおさめる。 グレイ : フン、他愛もない…… さて、この女、どうしようか? こういうことは自分で判断するものではない。 自警団に引き渡して、判断は任せよう。 自警団員 「ご尽力に感謝する……。」 グレイ : はいはい…… あなたは自警団員への報告を済ませる。 自警団員 「わざわざ自警団に引き渡して貰う必要はなかったが……。  まぁ、魔物といえど人の形をしている。  ………さすがに殺すのは心が痛んだか。」 グレイ : 手間だっただけだよ 自警団員 「今日はゆっくりと休んでくれ。」 『刺青』を巡ったお話は、これにておしまい。 あなたは冒険者だ、次の依頼を探すといい。 グレイ : 簡単な依頼だったかな

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『刺青』
Master/inuihimeko様