「向日葵の種」

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【太陽の方向 巡り花の園】と書かれた古い看板が立っている。
傍らに、下を向いた向日葵が一輪。
先には、それと違って空へ向く花々が見えた。
……。
向日葵畑を彷徨うだけの小さなボードです。
場所を指定して移動することはできません。
自由に彷徨ってください。

此処で太陽は見つからない。
月が輝くこともない。
ただ花だけがずっと、冷たい空を見つめ続けている。
……。
向日葵が向こうまで咲き続いている。
並ぶ向日葵のどれも、下を向こうとしない。
此処の向日葵は、小さなものばかりだ。それでも上を向いている。
木箱の中には、黄金の油が詰められた瓶が並ぶ。
申し訳程度に添えられた「5L」の値札を見るに商品なのだろう。

箱は放られ続けたように古いのに、瓶は真新しいように見えた。
5ルド失った。
雲が静かに流れていく。
向日葵の隙間。此処は何だか他より冷たい。
待てども太陽は現れない。
木机の上に、向日葵の種袋が並んでいる。
持って行っても良さそうだ。
グレイは、向日葵の種袋を使った。
……。
……
適当な場所に、埋めておいた。
グレイ : (向日葵の種を少し考えてから適当な空き地に埋めた)
ハイネ : ……まさかこんなところで知った顔とはな。
グレイ : は……?……なんだ、お前か。何しに来たんだよ。
ハイネ : そっくりそのままお返ししてやるさ。
ハイネ : 花を見る趣味があったとは意外だな、グレイ?
グレイ : 宿に戻る気でもないから歩いてただけだよ。
ハイネ : ハ、そうか。まあ分かる所はあるな。今日は依頼もいかずに湯治場でのんびりしただけだからな、むしろ眼が冴える。
グレイ : チッ、そうかよ……お前は花見か?
ハイネ : ま、そんなところだ。珍しいだろ、こんな時期に花が見れるなんて。
ハイネ : お前もそれが気になって来たのではないか?
グレイ : 太陽も月も見えないから、それが気になったんだよ僕は。
グレイ : そうこうしていたら迷ったがね。一種の結界か何かなのかもな。この場は。
ハイネ : ああ、やっぱり同じような場所をぐるぐるとしていたのは気のせいじゃなかったのか。
ハイネ : ……と。なんだこれは。種?
グレイ : 自由にしろとでも言いたげに置いてあるよな。邪魔だったから僕はそこに植えた。(道になっている地面の端を指した)
ハイネ : ふうん……こんな奇妙な場所だが、管理人でもいるのかね。
ハイネ : じゃ、私もお前に倣うかね。
グレイ : 好きにしろ
ハイネ : どうも。
ハイネ : (と、柔らかな地面を少し掘って種を落とし、土を被せて……立ち上がる)
ハイネ : 何時ぐらいに咲くものかね、こういうのは(手袋についた土を払う)
グレイ : これだけ他の花が咲いている事だ、芽吹くことすらないかもな。
ハイネ : 可愛げの無い。
グレイ : フン、向日葵なら大体2か月で咲く。芽吹くまでなら1週間ほどだ。
ハイネ : そんなものか、短いような長いような。
グレイ : 慌ただしくしていたら2か月なんざすぐだろ。忘れたころにでも見に来れば良い
グレイ : 覚えていればな
ハイネ : それはそうなんだが。……ま、お前の思考が移ったというわけじゃないが、こんなに他のが咲く場所だ。
ハイネ : 私達ですら覚えてここに来るかも怪しいものだ。
ハイネ : なおさら、私達が立ち去ってしまえば、誰もこの種が私達が手ずから植えたことなど知ることなどないのだろうなと思ってな。
グレイ : それじゃ、何か印でも置くか?
ハイネ : へえ?珍しい。そんなもんだろ、と一蹴されると思ったが。
グレイ : 丁度お前に似合いの指標があるぞ(ブロードソードのレシピを差し出した)
ハイネ : 馬鹿にしているだろう。
グレイ : そう思うんなら思ってろ。
グレイ : 僕は印なんぞ要らん。どうせ見に来る気も然程無いしな。
ハイネ : じゃ、代わりに置いておいてやろう。(SPポーションの空き瓶からガラス製の蓋だけを取った)
グレイ : チッ……(ブロードソードのレシピの裏にHeineと勝手に書いて、先ほどの種の植えられた場所近くに突き刺した)
ハイネ : すまないな、こっちだと名前は書けそうにないな(ガラス蓋を置き、転がらないよう軽く土中に押し込むようにする)
グレイ : ハ、どうでもいいって言っただろ。僕は戻るよ。じゃあな。
グレイ : (杖を突きながら踵を返した)
ハイネ : そうか、迷って倒れるなよ。場違いにもほどがある。
グレイ : 僕がそんなに軟に見えるんなら心外だな(ぼそぼそ呟いた)
並ぶ向日葵のどれも、下を向こうとしない。
待てども太陽は現れない。
木机の上に、向日葵の種袋が並んでいる。
持って行っても良さそうだ。
待てども太陽は現れない。
グレイ : 空を見上げる!
リーンへ戻ろうか。

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日見えぬ廻り花の園
Master/とある___様